【完結】いじめられていた私がJKデビューをしたら同じクラスの男の子から告白された件。でも、ごめんね。

ケンリュウ

第1話 同クラ悠斗くんからの告白

「あの……好きだから付き合ってほしいです!」


 今、私の目の前でクラスメイトの男の子がそんなことを言ってきた。


「ごめんなさい。その、今私恋愛とかにはあまり興味がなくて……」


 すると、彼は一瞬にして申し訳なさそうな顔になる。


「そ、そうだよね。すいませんでした」

「で、でも。お付き合いすることはできないけど、遊びに行くのとかは全然できるから。こんなことを言うのはワガママかもしれないけど、今は友達として、私と仲良くしてほしい……。遊びとかならいつでも誘ってくれて大丈夫だから!」


 言ったあとに、言い方が少し上から目線だったかな、と思ったけれど、どうやら彼にはそんな些細なことどうでもいいらしく。


「うん! ありがとう。これからも僕と仲良くしてやってください」

「うん。こちらこそよろしくお願いします!」


 私がそう言うと、途端に目の前にいるクラスメイトの男の子が何故か膝から崩れ落ちてしまった。

 私は慌てて彼の元に駆け寄る。


「大丈夫? 悠斗はるとくんって普段から貧血気味だったりするの?」

「いや。これは貧血じゃなくて、緊張していたから、それで……」


 彼は少し照れながら、やっぱり申し訳なさそうに言った。


「保健室、行く?」

「いや、大丈夫。もう、立てるから」


 彼はそう言って、私の手から逃れるように立ち上がった。


「じゃあ僕、帰るから。その、今日はありがとう……!」

「うん、こちらこそありがとう。また明日ね!」


 私がそう言うと、彼は未だにおぼつかない足でふらふらとよろけながらもこの場を離れていってしまった。その間、危なっかしい彼から私は一瞬たりとも目を離すことができなかった。


 それにしても、高一の男の子であんなに可愛らしいなんて、一定層の女子にはかなりモテてそうだよね……。


 と、そんなことを思っていたら、急に私の肩口が重くなった。

 私がそちらのほうに振り向くと、そこにいたのは「私の親友」とも呼べる人物だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る