第2話

「なんですか?それ。手話ですか?」



案外知ってるものなんだな。

すまんな、俺は返事ができないんだ。


何もしないのも悪いと思い、軽く頷いた。



「何も言わないのは、言えなかったからなんですね!」



なんだそのやけに嬉しそうな顔は。

デリカシーのないやつだ...



「喋れないなら仕方ありませんね。せっかく話してくれそうな人がいると思ったのになぁー、」



死のうとしてる奴に声をかけて勝手に腕を引いて、挙句あげくの果てにはそんな顔をするのか...

呆れた奴もいるもんなんだな。



「それじゃ、また明日もここに来ますね!会えたらまた話しましょ!」



そう言うと一方的に去っていった。


死ぬのは、また今度にしようかな...

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