太陽は慈悲深き国王
太陽は慈悲深き国王で
俺はヤツを殺し損ねて彷徨う
死に損ねた、殺し損ねた
太陽を殺し損ねて俺は生きてしまった
彷徨い俺は
太陽の告発に耐えかねて
洞窟の奥深くへ逃げようとして
川へ落ちる───
長い春を終わりに詩人をやめる季節がやってくる
詩人ではないと気づく季節に恐れる俺は
洞窟の外に出て歌う人ではないから
太陽の告発に耐えれない人だから
奥深くに潜り太陽の壁画を彫る
詩人のための太陽を簒奪し、俺の太陽をみんなに見せるべく簒奪する
太陽を知らない人よ、盗んだ太陽を見てくれよ!
盗人だと笑えよ詩人ども、お前らの踊りに合わせて文字が残るが太陽を見せぬのがお前らの美徳だ
誇り高いか医者ども、文字に残さぬ伝聞により人から簒奪する知恵を見せびらかぬのがお前らの美徳だ
スノビズムに溺れる俺がそんなにおかしいか
詩人ではなく医者でもないと呼ばれる俺がおかしいか
太陽が憎いのだ
俺は太陽が憎いのだ
盗んでも盗んでもこの目に入らぬ太陽が、俺の代わりに永く生き続けるであろう美=太陽が
憎い
憎い───
俺は殺せなかった男
お前らの太陽に爆弾を仕掛けて笑い出す
夜に合わせて落ちるのではなく、2度と上らぬよう重力に受けて太陽を落とすのだと
太陽でさえ重力から逃れられぬと
落下する太陽が宇宙を揺らす日その時に
俺は知ればいい
思い上がり甚だしいと
笑い声に気づいて太陽も笑い出す
思い上がり甚だしいと奴はいう
医者(=詩人)の限界で
溺れて死のう
そこに奴らはいない
溺れて死のう
刻む音が聞こえる
太陽の壁画を刻んだあの日を
事実としてある日が
それだけで生きてしまう
生きよう
溺れて生きよう
医者(=詩人)の限界の先で
溺れて生きよう
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