【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム

第23話

日付は変わって、８月28日の深夜１時30分頃のことであった。

事件は、大阪豊中市庄内東町の人通りが少ない通りで発生した。

「イヤー!!やめて!!イヤー!!イヤー!!助けて!!」

アルバイト帰りの19歳の短大生の女性が通りがかりの男にシツヨウにレイプされたあと殺された事件が発生した。

事件が発生した時、しゅうさくは行方不明になっていた。

事件発生から一時間後であった。

しゅうさくは、阪急電車の豊中駅の裏手で通りかかりの警察官ふたりに発見されたあと警察署に保護された。

この時、大阪府警（ふけい）にトクメイの人からの情報が入った。

短大生がレイプされて亡くなった事件でしゅうさくとよくにた男が事件発生の１時間ほど前に現場付近をうろついていた…と言うことであった。

しゅうさくは、ケーサツで任意聴取を受けることになった。

８月30日の昼前であった。

大阪府警（ふけい）は、しゅうさくがレイプ殺人事件の容疑者ではないことを理由にシャクホウした。

捜査はふりだしに戻った。

しゅうさくはシャクホウされたが、家に帰ることがイヤなので警察官たちに逮捕してくれと申し出た。

警察官たちは『ここは自らが出向いておとーさんとおかーさんにあやまる方がいいと思うよ。』としゅうさくをたしなめた。

警察官にたしなめられたしゅうさくは、仕方なく帰宅することにした。

しかし、しゅうさくは帰宅して早々にあいつに殴られた。

しゅうさくを殴ったあいつは『どうして家に帰ってきたのだ!?』と怒鳴ったあと、よりし烈な力を込めてグーで殴りつけた。

「オドレしゅうさく!!何で家に帰ってきた!?」

「兄さん…」

「人殺しでケーサツに逮捕されたのに、何でムザイホウメンで釈放された!!出て行け!!」

「ごんぞう!!」

「かあさんは入ってくるな!!しゅうさくはな!!この家のきょうだいなんかじゃないんだよ!!出て行け!!」

あいつは、しゅうさくの耳を思い切り殴った。

殴られたしゅうさくは、コマクがはれつした。

あいつからボコボコに殴られたしゅうさくは、再び家出した。

その日の深夜11時50分頃であった。

しゅうさくは、阪急宝塚線の線路を走っていた回送電車に飛び込んで自殺した。

しゅうさくが自殺してから13時間後のことであった。

東京で結婚生活を送っていたあいつの姉・ふさえが子供ふたりを連れて実家に出戻った。

ふさえは両親に対して『ダンナはインテリで生意気で気に入らないから離婚する!!』と一方的に言うたあとかたくなになった。

義父母は『夫婦はガマンをするものだから多少気に入らなくてもガマンしろ!!』と言うた。

義父母が言うた言葉を聞いたふさえは、思い切りブチ切れた。

「キーッ!!何なのよ一体もう!!夫婦はガマンをするものだからガマンをしなさいって…どういうことよ!!」

「何を怒っているのだ!!夫婦はガマンすると決まっているのだ!!おとーさんとおかーさんが言うてる言葉が分からないのか!?」

「ええ分からないわよ!!おとーさんとおかーさんこそガマンしてきたと言うのだったら何なのか言いなさいよ!!」

「ふさえ!!」

「おとーさんやめて!!ふさえ!!おとーさんに何てことを言うのよ!!今は、しゅうさくが電車に飛び込んで亡くなったことで、家中がヒヘイしているのよ!!」

「おとーさんが女に生ませた子が死んだことなんかどーでもいいわよ!!ここはアタシの家よ!!あんたたちがしゅうさくを甘やかしてばかりいたことが原因でテンバツを喰らったことに気がつきなさいよ!!ダメオヤジ!!」

その後、ふさえはしゅうさくのお嫁さんに対して『この家から出て行け!!』と言うてしゅうさくのお嫁さんをもので思い切り殴ったあと家から追い出した。

そのあげくに、ふさえは家中で暴れまわった。

義父母は、ふさえのわがままには耐えることができないと言うて、ふさえに屈した。

ふさえと子供ふたりが実家（ここ）にいついたので、アタシが帰る家（ばしょ）は完全になくなった。