【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム

第16話

悲劇は、2015年７月10日の昼過ぎに発生した。

「イヤ!!アタシまだ死にたくないわ…胎内に赤ちゃんがいるのよ…お願い…やめて!!」

事件は、大阪豊中市宮山町（おおさかとよなかみややまちょう）にあるマンションの一室で発生した。

マンションの一室で、30代の女性が交際相手の男に刃物で刺されて亡くなった。

容疑者の男に刃物で刺されて亡くなった女性は、胎内に小さな生命を宿していた。

大阪府警（ふけい）は、交際相手の男を殺人の容疑で逮捕した。

男は、取調べ中に意味不明（わけのわからない）ことばを言うた。

そのために、ケーサツは取調べを中止した。

ケーサツは、男の精神鑑定（かんてい）を上に申請（しんせい）した。

逮捕されたあと精神鑑定（かんてい）にかけられた男は、こともあろうにごんぞうさんの４つ年下の弟のけいぞうだった。

けいぞうは、女性から別れ話を切り出されたので刃物で刺して殺した。

けいぞうが逮捕されたことを聞いた義父母は、あいつ（ごんぞうさんがうざいと感じたのでここからはあいつと表記します）が勤務している職場の人・深江さんに助けを求めた。

深江さんは、知り合いの弁護士さんを通じてけいぞうの保釈を警察に申し出た。

その結果、勾留期限が切れる７月21日にけいぞうは条件付きで保釈（ほしゃく）された。

けいぞうが殺人事件を犯したことが原因で、家族間の関係がギクシャクした。

あいつの家は、義父母とアタシとあいつと保釈されたけいぞうと末の義弟（おとうと）のしょうぞうの６人が暮らしていた。

家庭内では、しょうぞうの人生問題など…非常に深刻な問題を抱えていた。

家を離れて別の場所で暮らしたいしょうぞうとうちにいてくれと言う義父母の間で、深刻な対立が生じた。

それが原因で、新たな事件が発生した。

それは、７月21日の夕方頃であった。

ところ変わって、家のダイニングテーブルにて…

ダイニングデーブルには、家族６人が座っていた。

デーブルの上には、大きめの底がついている容器にゆでた豚肉がたくさん入っているサラダが置かれていた。

ごはんの前に、しょうぞうは自立をして家を離れたいことを義父母に言うた。

義父は、あつかましい声で『同じことを言うな!!終わりにしろ!!』と言うてさえぎった。

その後、義母が『みんなお腹がすいているので、晩ごはんを食べようね。』と優しい声で言うた後、アタシにサラダを分けてと言うた。

アタシは、大きめの容器に入っているサラダを小皿に盛り付けた。

アタシが優しい声であいつに『サラダができたわよ。』と言うたあと、サラダを手渡した。

その時であった。

思い切りブチ切れたしょうぞうが席から立ち上がったあと、アタシの髪の毛を引っ張ってちぎった。

（ブチッ!!）

「いたい!!」

「オラオドレ!!」

「しょうぞうさんやめて!!」

「オレが自立できない原因は、全部オドレにあるんや!!」

「アタシになんの落ち度があるのよ!?」

「ふざけるな!!」

（ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!）

しょうぞうは、アタシの顔をグーで複数回殴りつけた。

この時、義父が怒った声で『なんで嫂（ねえ）さんを殴るのだ!!』としょうぞうに言うた。

思い切りブチ切れたしょうぞうは、あいつの頭を磁器の皿で殴りつけた。

「オドレごんぞう!!」

（ガシャーン!!）

しょうぞうに殴られたあいつは、頭から大量の血を流した。

あいつの顔が大量の血液でグチョグチョに汚れた。

アタシは、悲痛な声でしょうぞうに言うた。

「なんで長兄（おにい）さんにひどいことをするのよ!!」

「だまれ!!」

（パチーン!!）

「いたい!!」

アタシは、しょうぞうからよりし烈な平手打ちで顔を叩かれた。

同時に、左のほほから血しぶきが飛び散った。

義母が怒った声で『しょうぞうおやめ!!』としょうぞうに言うた。

そしたら…

（ガシャーン!!）

しょうぞうは、義父の頭をビール瓶で激しく殴りつけた。

その後、しょうぞうはけいぞうの頭を硬いガラスの灰皿で殴りつけて殺した。

「ワーッ!!ワーッ!!ワーッ!!」

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

そしてその末に、しょうぞうはよりし烈な力を込めて硬いものでアタシを殴りつけた。

義母は、近所の家に逃げ込んだあと奥さまにケーサツを呼んでと頼んだ。

しょうぞうは、殺人罪と傷害罪で兵庫県警（けんけい）に逮捕された。

その一方で、大阪府警（ふけい）は大阪豊中市で発生した殺人事件を被疑者（けいぞう）が死亡したので、大阪地検（ちけん）に書類送検（ソーケン）する形で捜査を打ち切った。

話は、事件発生から２日後の夜遅くであった。

あいつはこの日、工場でめちゃくちゃに暴れた末に職場放棄した。

あいつは、職場放棄したあとどぎつい濃度の酒をあおってぐでんぐでんに酔いつぶれた。

この時、家にはアタシとあいつのふたりだけがいた。

義父母は、しょうぞうが犯した殺人傷害事件の任意聴取を受けるために警察署に滞在していた。

あいつは、アタシに対してわけの分からないことをボロクソに言うた。

あいつからボロクソに言われたアタシは、思い切りブチ切れた。

「何なのよあんたは!!なんで工場で暴動を起こした末に職場放棄したのより!!」

「ふざけるなよ!!オレはヒョウゴウェルネスに不満があるからやめた!!どんなにがんばってもお給料が上がらない!!…その末に、再来月支給分からお給料が減らされる…サイアクだ!!」

「だからと言うて、なんでアタシに八つ当たりするのよ!!」

「だまれ!!テイシュに口答えをする気か!?」

「何なのよあんたは!!こんなことになるのだったら結婚なんかするのじゃなかった!!」

「ほんなら出ていけ!!」

「そうさせてもらうわよ!!こんなことになるのだったら、大学へ行きたかった!!…楽しい学園生活（キャンパスライフ）を送る方がよかったわよ!!」

「なんやオドレ!!」

（パチーン!!）

「いたーい!!」

思い切りブチ切れたあいつは、アタシの顔を平手打ちで思い切りたたいた。

（パチーン!!パチーン!!パチーン!!）

「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい!!」

アタシは、約40分に渡ってあいつから平手打ちで顔を思い切りたたかれた。

サイアク…

ドサイアクだわ…

こんなことになるのだったら…

高瀬（三豊市）の短大にいた方がよかった…

早い時期に結婚したから…

大失敗した…

それから180分後であった。

アタシは、着替えと必要な品物が入っているサックスバーの大型スーツケースとサイフとスマホと貴重品が入っている赤茶色のバッグを持って家出した。

あいつは、ものすごくいじけた声で『嫁さんなんかいらないのだよ…嫁さんなんかいらないのだよ…』と繰り返して言うた。

アタシは、家出する前にあいつの頭を赤のパンプスの先で殴りつけた。

そしたらあいつは、メソメソメソメソメソメソと泣き出した。

なさけないわね…

大の男がメソメソメソメソメソメソと泣くなんて…

甘えるな!!

（ガーン!!ガーン!!ガーン!!）

思い切りブチ切れたアタシは、パンプスの先であいつの頭を20回殴りつけた。

「ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン!!」

あいつは、みっともない声で泣き叫んだ。

その後、アタシは大型スーツケースと赤茶色のバックを持って家出した。