第9話
その日の夜8時過ぎであった。
またところ変わって、仲町にある居酒屋にて…
カウンターの席に座っているギンゾウは、ぐでんぐでんに酔っぱらっていた。
ギンゾウは、暴れまわった末に再びやくざの世界に戻ると
店のおかみさんは、ぐでんぐでんによいつぶれたギンゾウに対して怒った声で言うた。
「あんたーね!!もうええかげんにしなさいよ!!ぐでんぐでんに酒に酔ってる場合じゃないでしょ!!今ならまだ間に合うから、ラーメン屋さんの大将に頭下げてお願いしなさい!!」
「もうオレは…カタギに戻ることができないのだよ…オレはやくざの世界に戻るんだよ…あのラーメン屋さんには二度と戻りたくねえんだよ…大将がオレに店を持てと言うたけど…オレは店を経営して行く自信がねーのだよ…やってられるかバーロー!!」
「あんたーね!!グダグダ言わずに、トライしなさいよ!!」
「トライしろって…」
「ラーメン屋さんの大将は、あんたが文句ひとつ言わずに店の仕事をがんばっている姿を見て、のれんわけしてあげようかなと言うたのよ…それをあんたができん(できない)と言うたからダメになったのよ!!…だから、カンドウをといてもらえないんでしょ!!」
「本家のことなんぞ知るか!!あのクソジジイは、オレが必死になって頭を下げているのに口をへの字に曲げて『ダメだ!!』と言うた!!だから胸ぐらをつかんで、ボコボコに殴りつけた!!」
「あんたーは、やっぱりダメよ…話し合いができない、気に入らないあったら大暴動を起こす…あんたーはどこに行っても役に立たないからもうだめね…」
「けっ…何がトライしろだ…オレは何やってもだめなんだよ!!バーロー!!」
ギンゾウは、カウンターに置かれていた徳利に入っているアツカンを一気にごくごくとのみほした。
この時、ギンゾウはきわめて危険な状態におちいった。
それから2時間後であった。
ギンゾウは、フラついた足取りで夜の街をトボトボと歩いた。
「ううっ…しゅうか…しゅうか…ううっ…つらいよ…」
ギンゾウは、大好きだった義母を呼びながらメソメソと泣いていた。
なさけないわね…
ギンゾウは、自分の人生を自分で切り開く力がないダメ男よ…
この国の男は、ミミズ以下の弱虫ばかりよね…
だからアタシは、男なんか大きらい(大激怒)
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