絶対成功する言い訳

絶対に成功するいいわけ

俺は平凡な高校生。

帰宅途中、車に轢かれそうになっているお爺さんを発見。

『危な〜い！』

って、お爺さんを助けようと飛び出した。

ブー！っとクラクションが聞こえ。

あぁ、異世界あるならチートモリモリで転生したいなぁ。

なんて馬鹿な事を考えてしまった。

が！

『普通に生きてますやん。』

次に目が覚めた場所は病院のベットの上。

お医者様曰く、

確かに轢かれたが軽い打撲のみ、正直言って奇跡。

次の日には即退院。

しばらくの間、スゲェなとか言われたが次第に収まり普通の生活へと戻った。

「ねぇ！私のプリン何処にあるか知らない？！」

「……」

ヤベェ、食っちまったよ…

一時期チヤホヤされていた俺も、今では妹のプリンを間違えて食べキレられる一方手前まで来ていた。

「食べたの？」

此処で食べたと言ってしまうのは楽なのだが、俺は3月までに4回はやらかしている。

間違いなくビンタでは済まないだろう。

〜後10回、使うか？〜

「グッ…」

「は？ちょっと急に大丈夫？」

事故にあったあの日から、偶に聞こえてくる謎の声。

後10回、使うか？

何回も聞こえるが使ったことは無い、だって怪しいし頭がおかしくなったとしか思えない。

使ってみるか…

後10回って言ってるし、使い切ればこの頭痛も起こらないだろ。

この声が聞こえる時、かなり強い頭痛に襲われるのだ。

「使う…【ごめん、あまりに美味しそうで食べちゃった】」

終わったー！

勝手に口が動いて言い訳したけど、これはダメだろ？！

「そっか、なら仕方ないね。次からは気をつけて。」

「え？」

嘘だろ…

その言い訳で通じたのか？！

あんなバレバレの言い訳が通じるなんて…

〜残り、9回〜

減った、という事は！

言い訳が絶対に成功する回数って事か！

恐ろしい力だ。

絶対に成功する言い訳、回数制限があるとはいえいくらでも悪用できてしまう。

あと9回ノーリスクでプリン食べれるってことか、

最高だな！

この男が使う限り悪用される事はないだろう。