1weekの言い訳
ひとえあきら
第1話 怒りのアフター
「――それで?」
仁王立ちになった彼女が光ひとつ無き冥い眼で僕を見上げる。
「理由を聞かせて貰えるのかな、ミチくん?」
見上げていると言ったのは他でもない、彼女は僕の肩に届かぬほどの背丈のためで――それを口に出すと酷く怒られるのだが。
「ど・う・し・て、一週間も、電話は出ないわ何処行ったか判んないわ、一体何やってたのよ!?」
腕を組んでぷりぷりとお怒りの彼女はその子供っぽい外見も手伝ってむしろ怖いと言うより微笑ましい。
「――ねぇ、もしかして、私を避けてた?」
――う゜。
「――私、その、何かやらかしちゃってた?」
――いや、そうじゃないんだ……が……。
「違うの? ――じゃぁ何でよ!?」
いや、あのですね。
「なら説明してっ!! 最初から全部っ!!」
――くっ……これは言い逃れ出来そうも無い……のか。
***月***月***火***水***木***金***金***
「――そもそも事の始まりは月曜日だったよね」
正座する僕の周りを舎監よろしく歩き回りつつ指を1本立てる彼女。
「さて、月曜の夜から連絡取れなくなってたけど、そもそもあの夜は何やってたのよ?」
「――散歩」
「――へ?」
「だから散歩」
「――散歩? 夜中に? 何で!?」
「月がとっても蒼かったから――」
「それ絶対今取って付けた奴だよね、てかどっかで聞いたようなフレーズだし」
――ちっ。こういうときに限って鋭いな。
「――ミチくん。今なんか脳内で私のことディスってたっしょ?」
「いいいいやいやいや、まさかそんな、HAHAHAHAHA!!」
「――怪しいなぁ……で、ホントのとこは?」
あ、忘れてなかったのか。おーまいがー。
「キミが私を煙に巻こうなんて100年早いわよ?」
「んじゃその頃は
「――で、な・ん・で?」
何てこった。今夜の慧依は諦めが悪いと来たか(´・ω・`)
「――頭を冷やすため」
「――頭? 何で?」
「特に理由なんか無ぇよ」
「――ホントかなぁ? ――ま、いいや」
よし、乗り切った!!
「じゃ、次、火曜日は?」
え、えぇぇぇー!! まさか一週間分やるのかよー!!
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