意外な出来事

「数学?」


野沢さんが聞き返してきたので俺は頷く。


「竹村くんて勉強はできる方じゃなかったっけ?」


「国語はできるんだけどな、数学はちょっと苦手というか…」


「なるほどね…そういうことなら喜んで。でもいいの?そんなお願いで」


「いやいや、これ俺的には教えてくれると結構ありがたいから」

「そう。そういうことなら…あ、Raine交換しようよ」


「わかった」


野沢さんとRaineを交換する。新しい名前が追加されるとなぜか嬉しくなるんだよな。


「勉強する場所とかは連絡するね」


「わかった。ごめんな。そこまでしてもらって」


「いいからいいから。言ったでしょ?お礼だって」


「まあそうだけど…」


「だから竹村くんは気にしなくていい!むしろ私と勉強できることにもっと喜びなさい!」


「そ、そうか。と、とりあえず俺そろそろいくわ。またな」


「うん…またね」


そう言って俺は野沢さんと別れた。別れるとき彼女が寂しそうに見えたのは…気のせいだよな?



ショッピングモールからの帰り道、俺は今日の出来事を思い返していた。


「本当に色々あったな…」


もう色々ありすぎて頭の整理が追いついていない。

とりあえず、今日の晩飯のことでも考えるか。今日はナスの味噌炒めが食べた…


「あ…味噌切れてるの忘れてた…買いに行けばよかった…」


しょうがないので近くのスーパーで味噌を買い、自宅に戻る。

俺が住んでいるのはマンションの3階にある1LDKの部屋。駅近で、近くにスーパーもある。学校も歩いて10分だ。こんな利便性の良い部屋が空いていたことに俺自身も驚いている。

そう考えながら自分の部屋に着いたので鍵を取り出していると隣の部屋のドアが開いて誰かが出てきた。とりあえず挨拶をしようとそっちを見ると…


「え」


「あら」


そこには野沢優奈が犬と一緒に立っていた。


「え、えっと…お前ってここに住んでたっけ?」


「ええ」


「犬と一緒に?」


「そ。ソラって言うの。可愛いでしょ?」


野沢さんと一緒にいる犬を見る。犬種はシベリアン・ハスキーか。確かに可愛い。


「ああ。触ってもいいか?」


「どうぞ」


許可をもらったのでソラに手を差し出す。ソラは俺の手の匂いを嗅いだ後、ペロペロと舐め出した。


「よかったじゃない。気に入られたみたいよ」


野沢さんが笑顔で俺に言ってくる。


「嬉しいよ。それにしてもフサフサだな。この子の毛並み。ずっと触っていたい」


「そりゃあね。毎日ブラッシングしてるし。この子がブラッシング自体好きだからずっとしてるし」


野沢さんは誇らしげにそう語る。


「そろそろ私行くね。散歩に行くところだったから」


「おう。また触らせてくれるか?」


「もちろん。じゃ、またね」


そう言って野沢さんとソラは行ってしまった。


「さ、俺もご飯作りますかね」


ソラが触らせてくれたおかげで元気も出たしな。


〜〜〜〜

⭐️❤️よろしくお願いします!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る