理系文学

エリー.ファー

第1話

 理系的であることの本質は疑うという思考だけれど、それが理解されることはほぼない。

 分かりやすくないと納得できない人のために、結果として聞きなれない理系用語をどれだけ並べるかという無意味な競争が始まる。

 見たことのある漢字が、見慣れない組み合わせで出て来るから理系っぽい。海外の人の名前がカタカナで表記されて漢字と一緒に混ぜ込まれているから理系っぽい。あっ、法則という言葉が入っている。おぉっ、元素という漢字が入っている。わぁっ、どこかで聞いたカタカナの理系用語が出て来た。

 それは、理系的ではない。

 もっと言うのであれば文系的でもない。

 知性がないだけである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る