やらない言い訳

第1話

　みんな、自分を守るために言い訳ばかりします。

　僕もそうです。

　沖縄に行く暇がない。

　結婚できない。

　収入が少ない。

　本当にどうしようもできないこともありますが、ほとんどがいいわけです。

　自分を守るために言い訳をします。

　言い訳をし続けた結果、僕はこのようになりました。

　親も死にました。

　兄弟とは音信不通ですというか話したくありません。

　友達はいません。

　カラスだけが友達でライバルです。

　今日も体を動かせばいい仕事につきました。

　今の若い人は子供が減ったのでたくさんいい仕事に就くことができますが、僕はもう年なのでいい仕事なんかつけません。

　若い時にライバルたちに惨敗しました。

　社会に受けるサークル活動や人間活動をしてこなかったからです。

　社会は僕らをいじめます。

　なのでさようならしたいと思います。

　けれども痛いのは嫌なので死ねません。

　生きていたっていいことはありません。

　さっさとさよならしたいです。

　簡単にさようならできる薬を発明してください。

　もしくはもっと楽しくなる薬をください。

　老人だらけになりました。

　面倒を見てくれる若い人は、金を出さなければ見てくれません。

　昔は自分たちが見下していた別の国の人たちを雇って働かせていましたが、もうこの国は貧乏になったので、誰ももうやってきません。

　若い人たちは海外に出稼ぎに行っている人もいます。

　なので老いて生活ができなくなったら誰からも世話もしてもらえません。

　そうして僕はさようならするんです。

　僕はこれからどのようになっていくんでしょうか。

　そうしてどうなっていくんでしょうか。

　ううううううううう。

　ああああああああああああああ。

　おそらくこのような最期になるでしょう。

　若い時から言い訳ばかりをしていました。

また自分ができないことばかりやって失敗してきました。

　このままずっと言い訳をし続けて生きていくと思います。

　言い訳をしても人生は良くならないのに言い訳をしています。

　こうして僕らは生きていきます。

　楽しみはもうありません。

おわり