親友の義妹を寝取ってしまったいいわけについて
華川とうふ
美少女の下着は白である
「ねえ、いっちゃやだ……」
そう言って、ヒナはこちらの首に手を回す。
ひんやりとしたシーツとヒナの温かい体のコントラストがすごくエッチだった。
抱き着いてくるヒナの体をやんわりとよけながら、ベッドを抜け出る。
「はいはい。水をとってくるだけだから」
「口移しで飲ませてくれる?」
ヒナがちょっとすねたように言う。
さすが、うちの学校で一番可愛いと言われるだけある。
うるうるとした唇に、カラコンをつけていないのに大きな瞳、髪は乱れいるけれどふわふわとやわらかく、その乱れがより色っぽく見える。
そして、驚くことに下着は上下ともセットで白だった。
確かに校則に華美なものは身に着けないこととあるけれど、ヒナの下着は恐ろしいほど清潔な白だった。その白の下着には申し訳程度に淡いピンクと緑のリボンで作られた小さな薔薇の飾りがついているくらい。
普通の女子高生の下着のようにレースの生地やラインストーンなどの飾りはついていなかった。
校則を守っているのも驚きだけれど、下着姿がこんな上品なのも驚きだった。
下着姿なのに清楚そのもの。
白い下着は逆に透けてしまうというのに、こんなに下着をいやらしくなく着こなせてしまうのはヒナくらいなものだろう。
「ほら、飲んで」
ミネラルウォーターのボトルを冷蔵庫から出してヒナに渡した。
「口移しがいいのに」なんてヒナはちょっとだけ唇をとがらせて拗ねて見せるけれど、喉が渇いていたのか大人しく飲み始める。
そりゃあ、あれだけ激しく動いたあとだから喉も乾くだろう。
さっきまでの彼女の頬を赤らめる仕草やキスのときの唇のやわらかさ、舌が熱くとろけるような感覚を思い出して、急に恥ずかしくなる。
美少女はずるい。
何をしても様になるのだから。
でも、罪悪感がひどかった。
ヒナは同じ学校の生徒というだけでなく、親友のタクトの妹なのだ。
正しくは義妹。
そして、タクトとヒナは一つ屋根の下で暮らすようになってから、お互いを意識するようになっている。
たぶん、二人は両思いだ。
だから許せなかったのだ。
ヒナとタクトが両想いだなんて。
こちらだって、ずっと片思いをしていたおちうのに……。
「もういかなきゃ」
罪悪感から慌てて制服を着始める。
親友であるタクトの顔が浮かぶ。
なんでこんなことをしてしまったのだろう。
制服のシャツをきて、ネクタイを結ぶ。
「またね」
ヒナが名残惜しそうに言ってくる。
私は肯定も否定もせずにスカートを翻して部屋をでた。
義理の兄妹で両想いなんてつらい恋に決まっている。
私はそう言い訳しながら、親友のタクトを裏切り、タクトの義理の妹であるヒナとベッドでからみあいながらキスを続けるのだろう。
親友の義妹を寝取ってしまったいいわけについて 華川とうふ @hayakawa5
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