嘘をついたら何になる

泉葵

はじまり

握ったシャーペンを大体40度くらいで維持しながら紙の上を動かし続けていたが、スマホが振動するとどうも集中できず、ペンを置いてしまった。

時間は思ったよりも早く過ぎ去っていく。一日が充実していれば、その一日は短く感じる。一日が空っぽでダラダラ過ごしていれば、あっという間に1週間が過ぎている。

たかしはソシャゲに時間を潰しているうちに高校1年生という時期を終えていた。

このころになると、文系か理系か選択することになる。

孝は文系だろうが理系だろうがどうでもよかった。ただ、少し調べると「理系の方が就職が有利!」「理系は高給取り!」と言うサイトが目につき、そのまま理系コースへと進むこととなった。

今向き合っている宿題も数学のプリント。2年生になると、数字は少しずつ減っていき、代わりにアルファベットが増えていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る