僕の願い事

@tatumito

short story

まだ日が出るかでないかぐらいの時間。

とても冷たい空気が顔に当たり目を覚ました。

重たい目蓋を開けると目の前のカーテンが時折揺れていた。それは目の前の窓が開いていることを意味した。

そのカーテンの隙間から彼女の後ろ姿が目に入った。

俺はベッドから出て「おはよ」と彼女に声をかけると彼女は振り返った。

「ごめん、起こしちゃった?」

彼女はそう言って微笑んでいたが、顔に涙のあとがあった。

毎回このやり取りをするたんびに彼女は消えてしまいそうだった。

実際このやり取りも彼女とくらすようになってから増えていったように感じる。

俺はそんな彼女の頭を撫でながら彼女に生きやすい世界になりますように。と毎回密かに願ってる。

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