第二十話

 試験が始まって二時間が経過していた。

残り九体のロボットを探し回る。

 

 黄色ロボットが歩いているのが、公園越しに見えた。

公園を横断し、追い掛ける。


 黄色ロボットは走り出し、角に消えた。

後を追い、角を曲がると、黄色ロボットの姿はなかった。

次々と角を曲がっていくが、黄色ロボットはいない。

 

 数十メートル先のマンションの建つ角に消える、ロボットの足が見えた気がした。色の識別は出来なかった。

急いで角を曲がると、黄色ロボットの姿があった。

追い掛けると、黄色ロボットも走り出した。

その姿は真っ直ぐ走る。

住宅地を走り回る。


 少しずつ、距離は縮んでいく。

真っ直ぐ走る黄色ロボットに、飛び蹴りをした。


 足を動かし続けるそれのタッチパネルに、手を置く。

黄色ロボットは、残り二体。

 

 暫く道路沿いを歩いていると、数百メートル先の角から赤ロボットが現れた。

その姿は俺を感知し、角に消えた。

急いで探し回る。


 いない……。

四方八方を見渡しながら角を曲がっていくが、赤ロボットはいない。

 

 試験が始まって、間もなく三時間になるらしい。

その時、民家の建つ丁字路の角を横切ろうとすると、其処から赤ロボットが現れ、向

かい合わせになった。

慌てる様に走行を始めたそれの腕を掴む。

そして、タッチパネルに手を当てる。

赤ロボットは、残り三体。

 

 角を曲がると、数十メートル先に青ロボットの姿があった。

それを、追い掛ける。同様に走り出した青ロボットは角を曲がっていく。

距離は数メートルまで縮んだが、その状態が維持されている。

青ロボットの姿は角に消えた。

後を追うと、其処は民家に阻まれ、行き止まりだった。

引き返そうとする青ロボットの進路を両手で塞ぎ、腕を掴んだ。

そして、タッチパネルに手を当てた。

青ロボットは、残り一体。

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