閑話

死なない蛸

第1話

とんちで有名だった一休さんは知恵比べに殿さまのもとへ和尚さんと行くことになった。

城の近くに城内に入る橋を見つけたがそこには立て看板で

「このはし渡るべからず」

とあった。

人を呼んでおいて橋を渡るなとは何事だと怒る和尚さんに対して一休さんは堂々と橋の真ん中を渡って城に入った。

和尚さんは、看板の「はし」を「端」と解釈した一休の賢さに感心した。

しかしその橋は家臣しか使えない橋であって、橋の先にはそこの警備をしている家来がいた。

彼は2人を侵入者と認めて、刀を抜いて2人に飛びかかり、とうとう一休さんと和尚さん殺してしまった。

2人の死体を橋の下の河川に蹴落としてから先客がちらほら見受けられる川を気味悪そうにのぞきながらその家来はつぶやく。

「なぜこの橋に侵入してくる者は皆端をわたらないのだろうか。端の方さえ渡ればこれらの死体を川の中にみとめて引き返せたのに」































竹から生まれたかぐや姫はその美しい容貌がゆえに5人の熱烈な皇子に求婚されるが、無理難題を押し付けてことごとく突き返してしまっていた。

そうこうしているうちに天から使者が現れてかぐや姫は天界へと帰ってしまう。

おじいさんやおばあさんはそれを悔やみ、帝は日本一天界に近い富士山に文を捧げた。

結局かぐや姫のその後を知るものはいない。かぐや姫が帰る際に乗り込んだ乗り物は牛車と言われているが、じつは彼女が乗り込んだものは今の言葉で言うとヘリコプターというらしい。だが当時の人の知るよしもない。

かくしてかぐや姫の奪い合いは彼の一人勝ちとなった。































エジソンの自伝にはこのような記述がある。

「電気を通すのになぜ竹を用いたかと私はしばしば聞かれるが、なんてことはない。ジパングで光る竹の話を聞いたからである。」


この記述は、時代の中で、誰かに消されてしまったと思われるが、なぜだろうか。
































電車で大きくずっこけた少年が恥ずかしさのあまり辺りを見回したが、皆スマホを見てて気付いてなかった。寂しさと同時に安堵のようなものを覚えながら何気なく自分のスマホを見ると自分に身に覚えのない連絡先から「怪我、大丈夫?」というショートメッセージが送られていたという。

















この3つの話はどれも彼が語ってくれた話である。

とすると、どうだろう。

急に現実味がましてきたでは無いか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

閑話 死なない蛸 @shinanaitako

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ