黎明は夜より出でて
伊瀬谷照
登場人物
※最新話までの登場人物が含まれます。
【貴族の名について】
男性が「個人名」・「父の名」・「称号名」・「氏族名」で構成されます。
称号名は、個人の特徴や功績に応じてつけられるもので、まだ称号が与えられていない時期には、名誉ある祖先の名を当てはめます。
称号名は基本的に古ローラン語。
女性は「個人名」・「ユリア」・「母の名」・「氏族名」で構成されます。
ユリアは、貴族および新興貴族の女性全員に与えられる称号です。
作品開始時に存命中または生死不明の人物は●
故人は○で表しています。
【大衆食堂マンティ】
●アクィルス
15歳→16歳
黒髪 青い瞳。
旧アステリ王国領出身の奴隷。ローラン人の母と南方人の父を持つ。アクィルスは古ローラン語で「勇者」を表す。通称アキ。
器用で物覚えが早く、大抵のことは教えればこなせる。
●ルイス・アラン・ウーヌス・カルペンタリウス
外見年齢 40歳程度 実年齢52歳
茶髪 赤みがかった茶色の瞳
大衆食堂「マンティ」の店主で、アキの主人。
名門氏族カルペンタリウスの当主と北方人奴隷の間に産まれた子。
ウーヌスは古ローラン語で“唯一”を意味する。
●クレア
茶色の髪と瞳 40歳
「マンティ」の店主ルイスの妻。下町生まれの自由民。豪胆で気が強く、誰に対しても臆さない。
◯ミゼル
享年16歳
ルイスとクレアの間に生まれた一人息子。正義感が強く心やさしい少年で、また常に父の息子として誇り高くあろうと励んでいた。
【セレ氏族】
ローラン最古の家系の一つ。豊穣の女神スピカの血を引く名門氏族であり、初代皇帝“神君オーガスタス”の女系子孫。帝位継承権と、神君の血統であることを示す青い瞳を持つ。
●ゲイル・ドルス・グラディウス・セレ
44歳
栗色の髪 青い瞳
皇帝に継ぐ権力を持つ
グラディウスは「剣」を意味する。
●ヴァネッサ・ユリア・ナタリア・セレ
39歳
黒髪 黒い瞳
ゲイルの妻。血族結婚の多いセレ氏族の中で、およそ百年ぶりに他家から嫁いできた。
内向的な性格で民の前にはあまり姿を見せず、その容姿から「鴉女」と蔑まれている。
ゲイルとの間に8人の子どもが生まれ、4人が存命している。
●アルタイル・ゲイル・アウィス・セレ
23歳
淡い茶髪 青い瞳
ゲイルの長子にして嫡男。
父の思いつきで南方風の個人名を与えられた。アルタイルは南方諸語で、アウィスは古ローラン語でそれぞれ「飛翔する鳥」を表す。
幼い頃から戦場に立つ投槍の名手だが、生真面目で温厚な性格ゆえに思い悩むことも多い。
従姉妹であるエイダと婚姻した。
●エドガー・ゲイル・ゲメッルス・セレ
20歳
栗色の髪 青い瞳
ゲイルの三男(次男・四男は夭折)。私生児であるルーカスとは同日同刻に生まれたため、
受動的で面倒くさがりな性格で、なにかとルーカスに頼りがち。
●ルーカス・ゲイル・ゲメッルス・セレ
20歳
藍色がかった黒髪 青い瞳
ゲイルと南方人奴隷アルシノエの間に生まれた私生児。母譲りの赤褐色の肌と端正な容姿を持つ。非常に社交的かつ遊び好き。市民から非常に人気がある。
●レイチェル・ユリア・ヴァネッサ・セレ
14 →15歳
栗色の髪 青い瞳
ゲイルとヴァネッサの三女(長女・次女は夭折)。狡猾な野心家であり、女性の身で権力を手にする野望を抱いている。
その布石として、各地の
●サイラス・ドルス・アングィス・セレ
テオドール皇帝の甥にして、執政官ゲイル・セレの弟。詳細は後述。
●フィアナ・ユリア・リーリア・セレ
65歳
栗色の髪 青い瞳
テオドール皇帝の姉であり、ゲイルたちの母。
厳格な性格で規律や伝統を重んじる。
末息子のサイラスを「怪物」と呼び、非常に嫌っている。
○マリーベル・ユリア・ヴァネッサ・セレ
享年10歳
ゲイルの長女。生まれつき身体が弱く、12年前に肺炎で死去。
○リーナ・ユリア・ヴァネッサ・セレ
享年8歳
ゲイルの次女。生まれつき身体が弱く、13年前に風邪由来の合併症で死去。
○ユリシーズ・ゲイル・ハスタ・セレ
享年15歳
ゲイルの次男。病弱ではあったが、槍術や勉学に優れ将来を期待されていた。
6年前、肺病に罹患し死去。
ハスタは古ローラン語で「槍」の意。
○エドワード・ゲイル・オーガスタス・セレ
享年0歳
レイチェルの10歳年下の弟。
ユリシーズの死後、男児を熱望する周囲の期待の中で生まれたものの、高熱を出し生後2ヶ月で夭折した。
【セレ氏族の奴隷・解放奴隷】
●リコカルド
外見年齢30代前半 実年齢およそ数千歳
くすんだ赤毛 薄い水色の瞳。
北方人。元は軍医であったが、ドルスを指揮官とする北方征服の際に戦争捕虜となる。
現在はゲイルの従者を務める。
非常に長命であり豊富な知識を持つ反面、ローラン語の会話は不得手。ヴィンテル人であり、非常に長い時を生きている。
●メルヴィル
外見年齢20歳 実年齢??歳
ワイン色の髪と瞳。
ルーカスの従者。生粋のローラン人だが、放蕩で身を持ち崩し、市民権を放棄して奴隷となった。常に酒を持ち歩き酩酊している。ルーカスの信奉者。愛称はメル。
●イザベーラ
外見年齢28歳 実年齢75歳
黒髪 黒い瞳
ヴァネッサの世話役を務める南方人奴隷。度々、アルシノエに対する嫌がらせの工作を命じられている。
●スヴィン
外見年齢30代後半 実年齢100〜150歳
レイチェルの護衛を務める北方人奴隷。
通称は「この世で最も醜い男」。
●ニコラ
13歳
藍色の髪と瞳。赤みがかった白い肌。
南方諸島出身。アステリ系とローラン人の混血。レイチェルが密かに雇っている奴隷。マーリス州担当の
レイチェルのもとで蓄財し、故郷に帰るという夢を持つ。
●アルシノエ
外見年齢20代前半 実年齢35歳
藍色混じりの黒髪 金色の瞳
ゲイルの愛人にしてルーカスの母。
「神の顔」「この世で最も美しい」と称される美貌を持つ南方人。
子どもっぽくのんびりとした性格で、野心やヴァネッサに対する敵愾心は無い。
●マリーチ・リーラ・ハリ
32歳
ローラン系騎馬民族「アスラ」出身。
共和制時代に
アルタイルの従者として仕えることになる。
【ディア氏族】
ローラン最古の家系の一つ。狩猟の男神ヴェナの血を引く、初代皇帝“神君オーガスタス”の男系子孫。帝位継承権と、神君の血統であることを示す青い瞳を持つ。
○オーガスタス・コルネリウス・ルプス・ディア
享年 54歳
栗色の髪 青い瞳。
ルプスは「狼」の意。また、ローランの建国者の名でもある。
混乱した共和制の世において民を導き、旧アステリ王国の征服、食料事情の改善、交易路の充実といった様々な功績を残し、ローランの初代皇帝となった。現在は「神君」と呼ばれ、神格化されている。
38年前、アーノルドの死の1年前に突然の病によって死去した。
◯リーリア・ユリア・セシル・セレ
享年95歳
白い髪 青い瞳
セレ氏族からオーガスタスに嫁いだ女性。
賢明かつ慈悲深い女性で、猜疑心の強いオーガスタスが唯一心を開いた人物である。
その功績から「国家の母」と呼ばれ、ローランの理想の女性像とされている。
○アーノルド・オーガスタス・アウルム・ディア
享年40歳
オーガスタスの長男。
鮮やかな金髪を持ち、古ローラン語で「黄金」を表す称号名を名付けられた。
未来の皇帝として養育され、40年前に帝位を継承したが、その3年後に病死する。
●テオドール・オーガスタス・セキス・ディア
70歳
神君の末子にして3代目ローラン皇帝。レイチェルたちの祖母の弟(大叔父)に当たる。
年を経るごとに猜疑心が強くなり、また記憶障害が現れているため、皇帝としての能力を疑われはじめている。
●コルネリア・ユリア・リヴィラ・ディア
72歳
神君の弟(早世)の娘にして、いとこであるアーノルドの妻。アーノルドの死後は義弟であるテオドールの妻となり、長年皇妃の地位に君臨している。
テオドールとの関係は冷めきっている。
●クラヴィス・テオドール・キニス・ディア
44歳
灰色の髪 青い瞳
テオドールの息子(前妻との子)。ゲイルと同じ執政官にして、時期皇帝候補にあたる。ゲイルとは対照的に、寡黙で内政に優れた人物。
ゲイルとは従兄弟であり義兄弟。
キニスは幼い頃からの愛称を称号名にしたもので、「灰色頭」の意。
●ミレイ・ユリア・コルネリア・ディア
37歳
金色の髪 青い瞳
テオドールの娘。とある貴族の元に嫁いだが、粗暴な夫の不興を買い出奔した。公的には流産により死亡したことになっている。
アキの実母。
●デリラ・ユリア・フィアナ・ディア
39歳
藁色の髪 青い瞳
ゲイルの姉にしてサイラスの妹。
16歳にしてザロウ氏族に嫁ぎ、一人息子を産む。その後夫の死によって寡婦となり、クラヴィスと再婚。
クラヴィスとの間に五男一女をもうけたが、その多くが夭折している。
明るく好奇心旺盛で誰に対しても気安く接し、また歯に衣着せぬ物言いをする。
●エイダ・ユリア・デリラ・ディア
18歳
白髪 青い瞳
クラヴィスの長女であり、レイチェルたちの従姉妹かつ
控えめで内向的な性格で、目立つ白髪や長身を恥ずかしがり、引きこもりがちである。
●アデル・クラヴィス・テオドール・ディア
12歳
麦藁色の髪 青い瞳
クラヴィスの五男であり、唯一生存している男児。生まれつき病弱で、何度も死の淵を彷徨っている。
【森の一家】
レスタ近くにそびえるアルトゥ山の裾野に住む一家とその奴隷たち。
●レジナルド
17歳
赤い髪 黄緑の瞳
父、妹と共に火山の裾野で暮らす少年。
母は大陸北端に住むヴィンテル人のフラヤ。青い瞳を持たない私生児であり、とある理由で森から一歩も出ることなく暮らしていた。
一般的な魔法は使えないが、ヴィンテル人特有の身体強化能力を有する。
●サイラス・ドルス・アングィス・セレ
33歳
テオドール皇帝の甥にして、執政官ゲイル・セレの弟。
生まれつき左半身に麻痺があり、質実剛健を男子の理想とするローラン社会では冷遇されている。公務には携わらず、歴史家として研究に没頭している。
温和な性格で若者たちから慕われており、サフィエ曰く「人誑し」。本性は非常に冷淡で傲慢な策略家。目的の為ならばどんな犠牲も厭わない。
アングィスは古ローラン語で“蛇”
●スノッリ・ユリア・ヴァネッサ・セレ
外見年齢4〜5歳 実年齢7歳→8歳
銀色の髪 青い瞳
執政官ゲイルとヴァネッサの四女。未婚の弟を案じたゲイルの意向で、生まれてすぐにサイラスの養子となった。
心身の発達が遅く、年齢よりも幼い言動や行動がみられる。
●フロールフ
外見年齢20代前半 実年齢数百歳
白金の髪 灰色の瞳
サイラスの介護役・研究の助手役である北方人奴隷。主人の寵愛を盾に傲慢な振る舞いをする。
身体能力・五感が発達した「ヴィンテル」という民族の出身。
●レーネ
18歳
褐色の髪 紫の瞳
魔法に練達した少数民族「シルア」出身の女奴隷。アキとは市場で面識があり、友人関係を築いている。素直で物怖じしない性格。
●エリック
外見年齢50歳程度
淡い茶色の髪 水色の瞳
他の奴隷の教育や監督を担当する北方人奴隷。レジナルドの剣や魔法の師でもある。
●ヒルデ
外見年齢30歳 実年齢数百歳
白金の髪 緑の瞳
北方人。ドルスによる北方征服の折に奴隷となる。長命かつ血液を栄養化の高い液体に変換する魔法を行使する「メルヒ族」の出身。
その能力を使い、ゲイル、デリラ、サイラス、レジナルド、スノッリの乳母を務めた古参の解放奴隷。
●フュスコン(ジェスルーレ・ティヤ)
外見年齢28歳
金色の髪 深緑の瞳
南方人。屋敷の料理番。
フュスコンはアステリ語で「太鼓腹」を意味する通称である。不妊を理由に離縁され、奴隷としてローランに売られた。野心がなく、無気力で皮肉屋な一面を持つ。サフィエとは親類。
【帝都】
●ヨアニナ・ガイウス・カペラ・ザロウ
21歳
名門貴族、ザロウ氏族の若き嫡男にして、デリラと前夫ガイウス・ザロウの間に生まれた一人息子。
政治に関心がなく、役者や音楽家になることを夢見て常に派手な身なりをしている。
●エルスワース・プローディオ
代々軍人を排出してきた騎士階級の一族、プローディオ氏族の人間。
皇帝親衛隊隊長であり、テオドールの信頼は厚い。
【レスタの街】
マーリス州の首都。大陸西端にある、ローラン最大の港を要する商業都市。
●マーシアス・レナード・ポルトゥス・レンブラント
55歳
茶髪 茶色の瞳
マーリス州を治める属州総督。肥満体と華美な服が特徴。成金趣味だが、商業の自由化などの経済政策で成功を収めている。
ポルトゥスは古ローラン語で「港」の意。
●アヴィオール・マーシアス・スキヌム・レンブラント
20歳
黒髪 琥珀色の瞳
属州総督レンブラントの三男。父の意向により政治から距離を置き、メタニア神の神官を務めている。
神に忠実で生真面目な性格。
【旧アステリ王国】
かつて栄華を誇った最古の王国。70年前にローランの侵略によって滅亡し、現在は属州として分割されている。
●サリオン・アル・ハーン
外見年齢30歳 実年齢85歳
黒髪 白濁した瞳
レスタに出入りする南方人の毛織物商。
契約、法、商取引を司る神レキの熱心な信徒であり、眼病で失明したことすら信仰の賜物と捉えている(レキは盲目の神であるため)。
ニコラの知人で、レイチェルの
●サフィエ・アル・ハーン
外見年齢30歳 実年齢90歳
黒髪 深緑の瞳
サリオンの主人(配偶者)。高名な商家の跡取りであり、その地位に恥じぬ商才を持つ。
意志が強い反面、嫉妬深く支配的な性格。
レキの熱心な信者。
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