フルダイブ型のVR上での恋愛は浮気か

プラ

フルダイブ型のVR上での恋愛は浮気か

 フルダイブ型VRマシンが開発されたことで、この世の在り方は大きく変わりつつあった。さらに、あるゲームの登場によってさらに大きな変化が起こり始めていた。


 そのゲームは『第二の自分』というタイトルで、ゲーム内容は現実世界そのものだった。

 それもそのはず、フルダイブ型VRで、第二の現実を作るというコンセプトで開発されたゲームだったからだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「浮気じゃないって言い張るんだぜ! どう考えても浮気だろ!」


 マコトが息を荒げながら語る。


「また、サナちゃん『第二の自分』で彼氏作ってたの?」


 カイトがそう尋ねる。


「いや、今度は作ってないっていうんだけどさ! よく遊びに行ってるし、というかあいつが好きって言ってたし! でもゲームだし、見た目が変わってるし許してってさ!」


 マコトは憎々しげにサナちゃんの物真似をする。とはいえちゃんと雰囲気を掴んで、真似している所が面白い。


「まぁ、気持ちが分からないでもないな。もうどっちが現実か分からないほどリアルだし、そこで本気に好きになられたら、ゲームだって言われてもな」


 食べ物を口に運びながら、同情するカイト。


「そうなんだよ。いくらさ見た目が変わっているとはいえだよな! もうあいつとは別れるわ!」


 そう固く決心したようなマコトだったが、どうせまた許しちゃうんだろうなと僕は思った。多分、カイトも同じ事を考えているのだろう。


「まぁ、許してやりなよ。好きになってたけど、付き合ってなかったんだろ?」


 カイトのやつが言わないから、仕方ないから僕が言うしかなかった。カイトのやつ、いつもこういう面倒くさい役は僕に回してくる。


 カイトは信じられないと口を開けて、


「無理だよ! というか、なんでお前らは許してるんだよ! ありえないだろ!」


 僕とカイトはお互い目を合わして、


「まぁ、今の時代それが普通だろ。そうじゃなきゃ重いって思われて面倒くさがられるじゃん」


 そうカイトが言った。


「そうだぞ。サナちゃんみたいな女の子、今はいないぞ。本当に大切にしろよ」


 僕はそれに続いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

フルダイブ型のVR上での恋愛は浮気か プラ @Novelpura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ