劇場完結編 校長室の最終決戦(ラグナロク)①
「メオちゃん…… オヤツは300円まででよかったっけ?だよ?」
ハオちゃーーん!! 遠足ではありませんッ! あのシリアスな展開から、いきなりぶっ込んで来ましたね!!
流石はヒロイン。時に大胆、素敵です!!
「ハオちゃん。ええ!バナナはオヤツに含まれません事よ!」
今や目標を一つにした魔砲少女のコンビネーションは最高潮に達しました。
『おおおおお、ハオよ。全てのヨクボウが襲って来るぞぅ。総力戦だぞぅ』
埴輪の髪留めも、いつかのベリークライマックスを演出します。いつまでも手を繋いで居られるような気がした、あの日が思い出されます!
二人が意を決して廊下を駆ける中、やはりヨクボウが行手を阻んで来ました! こッ、このヨクボウはッッ?!
『この先は行かせねぇぜ? 魔砲少女、ここが貴様たちの墓場だ!』
何という事でしょう!! そう発したヨクボウは『食欲』を司る上位のヨクボウです。
その姿! 水槽の中で口をパクパクしている……
–––– 金魚です!! この危機をどう切り抜けるのでしょう?
「コレでも喰らうんだよ! 金魚の餌タップリ投入だよ!!」
流石はハオちゃん!! 金魚が窒息しない上限一杯の餌を投入してピンチを切り抜けました!!
『な……なにぃ!! こんなに沢山食い切れねぇ?!』
食欲のヨクボウは、ぴちぴちと食べる事に必死です。今のうちに進みましょう!
「ハオちゃん、中庭を通った方が近道ですわ!」
メオちゃんのアドバイスで、2人は校舎を出ました。古墳中学校の中庭、そこには手入れされた花壇と、動物の飼育小屋、百葉箱がノスタルジックを演出しています。
しかし!またもや中庭で待ち構えていたのはッ!
『くくく、俺を無視して進む事はできまい。俺は『愛情のヨクボウ』、今までの奴とは一味違うぜぇ?』
–––– 卑怯なッ!!
その自信に満ち溢れたヨクボウの正体は、は飼育小屋のウサギです!! その触れたくなるモフモフ感は、もはや
「あ、ああ、メオちゃん。アッシは……あのヨクボウに触れたいんだよ。この気持ち止まんないよぉ〜」
「しっかりするのですわ、ハオちゃん! 魔砲、『
ここでメオちゃんのファインプレーが飛び出しました! 超偏光的擬視な感じで、ウサギはウナギに見えます!!
「さあ!ハオちゃん。今のうちですわ!」
こうして、二人はヨクボウの罠を振り切って進みます。ハオちゃんが『じゅるっ』と、ヨダレを垂らしたのは見なかった事にしておきましょうね。
さあ!校長室のある校舎が見えました!
ですが、ヨクボウも攻撃の手を緩めるつもりは無いようです。
『残念だが、ここまでだ。魔砲少女達よ』
なんと!銅像が喋っています!!
本校創始者の銅像が二人の前に立ち塞がりました!!
『ワシが一代目校長! 江田豆 兵八郎であるッッ!!』
何という自己顕示欲なのでしょう!
このヨクボウも強烈なプレッシャーを放っています!!
「スットコドッコイやぁ!!」
出ました!!ハオちゃんの破壊魔砲が口から放たれます!
–––– しかし。
『くっくっくっ、ワシのブロンズボディに、そんなもの効かんわッ!!』
銅像のヨクボウは台座ごと、ズリズリと近寄ってきます。 コレは中々のホラーです!
「魔砲が効かないんだよ! こうなったら、変身しかないんだよ」
「駄目ですわ!変身は最後に取っておかないと、ラスボスの『カンジョウ』を倒せませんわ!」
なんて事でしょう。二人を超特大級危機が襲います。
その時、メオちゃんは意を決して口を開きました。
「ハオちゃん、ここは私が引き受けますわ。
先に行くのですわ!!」
「置いていけないよッ!!」
「大丈夫ですわ。きっと…… 追いついてみせますわ。平和を掴んだ後に、また一緒に給食を食べましょうね…… ハオちゃん」
この展開は…… いけません! メオちゃんの死亡フラグがビンビンです!!
「メオちゃん。その約束、破ったら……ハリー千本飲ますんだよ!」
ハリーを飲ませてはいけません!!
エクスペクト・パトローナムがアナタの胃を守護してしまいます!!
それはいいとして、決意を固めたハオちゃんは、涙を浮かべ校舎に駆け込みます。
それをヨクボウが『待てぃ!』と、追いかける中、「アナタの相手は私ですわ」と、メオちゃんが立ち塞がりました!
『貴様一人で、何が出来るのだ? それに、この先には異世界転移の罠が仕掛けてある。あの埴輪少女は終わりだ』
「何ですって?!」
魔砲少女2人に立ち塞がる、それぞれの危機。
盛り上がって来たところで……
–––– つづく
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