第12話 刹那の風景5:メイキング対談:良き語らい3

――<トルコキキョウ 良き語らい:◇5王妃~◇6リリア 41頁>

薄 : 王妃のパートです。書き下ろしです。ここの部分は、王妃の置かれた状況が今まで書かれていないから、書いてねというのと、4巻で、国王達と話してみるというセツナからの課題に王妃がどう取り組んでいたかを書いてねというのと、それと同時に、今まであまり書かれていない大将軍とか大臣とかが、一体どれだけ、国王や王妃と親密なのか書いてねといって、緑青さんに頑張ってもらいました。


緑 : どこまで王妃が建国祭の参加に本気なのかっていうことも、書きたかった。

薄 : であとは、そう、あれね。新キャラが一人ここで登場するんだよね。なんでここで新キャラ登場したのかっていうのは深い意味はあるんだけれども。


緑 : あるんだ(笑)

薄 : 後でその新キャラについても、ちょっと話すかな。

緑 : 話さなくていいと思う。

薄 : それでまず、王妃なんだけど。この部分も書いてもらって一番最初思ったのは、すごいプロローグっぽいなと思ったのね。


緑 : ああ、そうね。

薄 : この形にしてこだわったのは、何か意図があったの?なんかすごい最初プロローグっぽく詩的な感じになってるじゃない。


薄 : 5巻のプロローグにこれ持ってきたかった感じなの?

緑 : あのね、悩んでたからね。4巻執筆中のときに、プロローグをラギにするか王妃にするかで。で、5巻で王妃のがプロローグになったら、こんな感じで作ってたと思うんだよね。


薄 : この王妃って書かれてる部分は、王妃でプロローグ書くんだったら、こんな感じでってのが頭の中にあったということ?


緑 : そうそう。基本的にちょっと戻るんだけど、プロローグって、1巻書いてる時は、2巻はどういうプロローグにしようかな、2巻書いてる時は、3巻のプロローグは誰にしてどういう風にしようかなって考えてるわけ。だから、もうこの5巻の段階でも、6巻のプロローグはもう考えてる。どういう文章にしようか。


薄 : でも、執筆が途中まで書けないってはなしだったよね、さっきは。

緑 : そうそう書けないんだよ。でも、なんというか。

薄 : 書けないけど、頭の中にはこういう風にしようかな、こういう風にしようかなっていうのが、漠然とした感じであるってこと?


緑 : そうそう、そうそう。で、あとこう、対比にさせたかった。今の王妃の感情と、一緒に戦った人達のある意味遺言……。遺言っていうか、なんていうのかな? 最後の言葉、今際の際の言葉っていうのかな、そういうのに、心の中で答えてる形にしたかった。


薄 : 対話にしたかったってこと?

緑 : そうそう、そうそう。

薄 : 対話にしたかったのは、わかったけど。ここで初めて、王妃の名前が出てくよね。後、国王の名前も。どうして。ここで効果的に使いたかったって事?


緑 : それ聞く?

薄 : まあいいんだけど、あえて出さなかった意味はないのね、ここまでね。ないんだよね、きっとね。ないんだったら、ないって言えばいいよ。


緑 : あるよ。

薄 : まあいいよって、あるの?何?

緑 : Web版書いていたときに、もう名前を考えるのをヘキエキしてたの。たくさん名前を考えなきゃいけないから。だから、なくてもいいところは後回しにしたの。


薄 : まあ、そんなことだろうなと思ってたけど。

緑 : っていうのは、まあ冗談なんだけどあれだよ、あのー。

薄 : 本気だったんじゃないの?

緑 : 本気じゃないよ!

薄 : あ、そう。

緑 : あのー、あれ。呼ばないだろうなって、名前を。

薄 : うん?

緑 : 敬称で呼ぶんだろうなって、私は思ってたから。

薄 : だってさ、私達よく、○○王とか○○女王とか言ってるじゃない?

緑 : 名前つけなくて、女王陛下みたいにもいってるじゃない。だから、リペイドの人達も名前言わないように書いているんだよ。


薄 : なるほど。

薄 : 次に、ここでマーガレットではなくて。

緑 : ラーレギュルさんが出てくるんだよね。

薄 : ラーレギュルってなんだったっけ?

緑 : キキョウ。キキョウに関する言葉だね。

薄 : マーガレットも、なんでマーガレットだったのかもよくわからないけど、まあ、ここはトルコキキョウの章だから、この人物の名前は、ラーレギュルさんにしました。まあ、でももう次は、出てこないんですけどね。


緑 : いつか、出てくるかもしれない。

薄 : まあ、なんか深い意味があって、ラーレギュルさんが登場したのかもしれないね。

緑 : もう、フラグ立てんな。

薄 : それで、次、王妃様の話し合いが上手くいかなかったのを受けて、依頼の話だね。どうやって、監禁するっていう話をするんだけど、実際のところ、セツナだったら、その場にいなくても、相談事は解決できるんだよねと言うところで。依頼内容を叶えることができる、魔導具作れるからね。


緑 : いや、ここはね、僕のね、書いた文章はね、ことごとく、削除されたんだよ。プロットにね、忠実に書いてたのにね、それをね、全部ボツにされたんだよ。


薄 : あー、なんかそんな話しもあったね。

緑 : そう。魔導具の詳細な解説なんかを必死になって考えて文章に起こしたのに、それを全ていらないって言って消された、この怒り。


薄 : なんで、そんな無駄なことしたの?

緑 : うう、薄浅黄。

薄 : なんでそんな無駄なことしちゃったの?

緑 : 薄浅黄が書けって言ったからでしょ!

薄 : ほら、ちゃんとさ、強制転移させる魔導具と防音効果のある拘束結界っていう言葉で、事足りてない?なんて書いてたか、ちょっと履歴を遡って見てみる?


緑 : いろいろ、つらつら、つらつらと詳細な解説考えたのに。

薄 : ああ、これかな。子供を守るために結界貼るとか、そういう文ね。なんか、話が冗長だからいらないかなって思ったんだよ。


緑 : 私も書いてて、冗長じゃないかって思ってたよ。

薄 : 拘束結界を悪用したらこういうことになるから、こうこうみたいなこと書いてあって、売られてる場所も制限されているとか、そういう話だよね。設定としては生きているから、大丈夫。無駄だと思ったんだよ。


緑 : もっと早く言って、僕が書く前に。

薄 : 無駄だよね。

緑 : 僕が書く前に言って。いや、プロットに必要なものだけ書いて。

薄 : まあ、逆鱗に触れたので、ちょっとだけ内容を紹介……。市販の拘束結界の魔力は少ないので(これは、魔導具作成者が魔導具を作るために、自身の全魔力をつぎ込めるわけではないため)、魔力が多い者は抜け出す事ができる。まあ、だから魔力がない獣人を捕まえるとか、人間の子供を一箇所にまとめておくとかなどで、使われると。


緑 : そう、そんな感じ。

薄 : というわけで、次行こうか。

緑 : そんなものは、なかった。

薄 : そんな歴史は、なかったんだ。

緑 : 許せない。

薄 : で、まあ、王妃は、セツナの魔導具を使えば一人で大丈夫だとわかっても、やっぱり、それとは別に心細いからいてほしいなという感じで。


薄 : でも、セツナとしては、あえてそこに行きたくないよねっていうところもあって、考えさせてくださいとなったんだよね。


緑 : ここで、セツナの葛藤というのが、最初、違和感があったんだよね。4巻で王妃に約束しているし。

薄 : まぁ、そもそもどうやって王様を説得するのかみたいな話もしていない状況だったのに、すんなり依頼を受けるとはいえないでしょう。それに、要望は魔導具渡せば解決するのだし、王城にきて欲しいというのは、依頼内容とは本質的には別の話だしね。


緑 : まあ、そういわれて納得したから、加筆したけど。

薄 : そういったところで、セツナの中に葛藤が生まれて、次に続きます。

緑 : そうだね。


――ここ王妃のところは、セツナの葛藤について二人で意見が分かれたところです。王妃が魔導具だけを欲していたのなら悩む要素はなかったんですが。Web版では、こういった王妃とのやり取りは物語では記載していませんが、実際は行われています。一気にアメジストセージのシーンに入るという緊張感をだす演出を重視したためですが、どちらの方が好みでしょうか?


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