第21話 レベル5
《レベルが5になりました。才能【アプリ】の最大容量が1
「うおおお~! やっと上がったあああ~!」
嬉しさのあまり、その場でガッツポーズをする。
『やったニャ! ノア!』
「「おめでとうございます~!」」
ポンちゃんとライラさん、ミレイちゃんも祝ってくれた。
その時、遠くから土埃が上がると、とんでもない速度で走って来たセレナが、僕に向かって飛んできた。
「セレナ!?」
「ノアッ! おめでとう~!」
「あはは……ありがとう!」
どうやら聞き耳を立てていたみたい。
才能を授かることで、人々には【レベル】という概念が生まれる。とても単純でレベルを重ねれば強くなれる。
もちろんセレナも例外ではない。元々レベル1の時点で満腹時にとても強いセレナだが、レベル上昇で強さがより強くなることはなかった。セレナの強さはレベル1の時点で最大値ということになる。
ではレベル上昇で何が強くなるのか。それはやれることが増えていくのだ。
例えば、遠くの音を聞き分ける能力や、周辺の気配察知、中には威嚇なんかがあって、コーンラビットが威嚇されると全く動けなくなったりする。
段々強さがとんでもない方向性に進むセレナであった。
「せっかくだから早めのお昼にしようか」
「「「賛成~!」」」
『焼肉ニャ!!』
すぐにライラさんとミレイちゃんがレジャーシートを取り出して、手際よく広げる。
最近は殆どの雑用らしい雑用は二人がやってくれる。これは僕達が強制させてるのではなく、むしろ本人達がさせて欲しいと頼んできた。
もちろん僕達もただ見るだけはせず、手伝える部分は手伝いながらお互いにやれることを頑張る。
すぐに皿やコーンラビットが並ぶ。
右手を前に出してコーンラビットに向ける。
心の中に焼肉のたれが沁み込んだ焼肉を指定すると、コーンラビットが光りに包まり、瞬時に香ばしい匂いの焼肉に変わった。
最近分かったんだけど、一体のコーンラビットでもかなりの量らしくて、ライラさんとミレイちゃんで一体、僕が一体、ポンちゃんが二体、セレナが五体食べる。
一食でコーンラビット九体を食べるって相当な量だとライラさんが言っていた。
まあ、一体五十センチくらいあるからね。逆に焼肉の量から見て、肉の量が少ないまである。
食事が終わると、ミレイちゃんが水魔法でお湯を出してお茶を淹れてくれる。
それを見て僕も水魔法を覚えるべきか真剣に考えたほどだ。
お茶を飲みながら貯まったGBを使って新しいアプリをインストールする。
【アプリ】の画面を開いて【ストア】を押すと、無数のアプリの一覧が表示される。
剣士1GB、魔法使い2GBなど、才能を覚えるアプリが並び、才能ゾーンが終わると、今度は【一秒クッキング】などの便利アプリが並ぶ。
無数にある便利アプリの中で、今回僕が選ぶのは――――これだ。
---------------------
・簡易収納(2GB)
┗《未開放》異空間収納(18GB)
---------------------
できるなら【異空間収納】まで覚えたいのだが、GBがあまりにも高い。なので、今回狙うのは【簡易収納】のみだ。
【簡易収納】のインストールボタンを押す。
《【簡易収納】をインストールするまで、十日が必要です。》
やはり、高性能になればなるほどインストールするGBも上がるし、時間もかかる。GBが高いからってインストールする時間が長くなるわけではない。異世界会話が1GBで一年かかったのがその証拠だ。
ひとまず十日間は今のやり方で頑張って行こうと思う。
「ん~十日もかかるらしい。それまでは今まで通りにやっていこう」
「「「は~い」」」
お茶を堪能して少し休憩をしたら、また狩りに戻った。
【簡易収納】がインストール中なので、次はもう一つ目的を目指す。
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