ロッコとふしぎな絵

海良いろ

0枚目 ロッコは画家をやめた


「ジュリアーノの絵の方が売れるから買うのをやめるって!?」


受話器を電話に叩きつけ、ガンコな画家、ロッコは息まきました。

絵の購入を断られるのは、今年に入って、これで3件目です。


「へんっ!!あんなみょうちくりんなものをありがたがるだなんて世も末だ!!」


ロッコは時折強く足を踏み鳴らし、部屋の中を行ったり来たりします。

ふんふんと鼻息を荒くし、やがてなにか思いついたようで、顔をくしゃりとさせて笑いました。ロッコが悪いことを考えている時の顔です。


「よし決めた!!画家なんてやめてやる!!」


ロッコは手を叩いて喜びました。


「そうと決まれば世界中を旅するぞ!!」


ロッコとふしぎな旅の、はじまり、はじまり……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る