僕と君の二年+α
栗無 千代子
番外編
第EX①話(エイプリルフール番外編) 僕と君たちとの家族生活
*エイプリルフールネタです。
*本編では絶対に起こしませんが、ハーレムネタです。
*シチュエーションボイス風に作っています。
*春希と話す子持ち女性はハーレムの一人で大学からの知り合いと言う設定です。
*エイプリルフール中は最後尾に置いておきますが、過ぎれば先頭に置きます。
それでは本編をどうぞ。
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布団で暖かく寝ていると遠くから赤ちゃんの泣き声が聞こえる。僕は布団から出るとまだまだ深夜。そして、隣からモゾモゾと動く愛しい人がいる。僕は布団を掛け直してキスをして部屋から出る。僕が部屋を出る頃には泣き声は聞こえなくなっていたが、おおよその赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた方向へ向かうと、リビングから明かりが見える。すると二つの影がそこにあった。
「今日は冷えるけど、何か暖かいのでも飲む?」
僕が声を掛けるビクッとしている。あたふたして断ろうとしているが、僕は笑顔で制する。
「この子も僕たちの家族なんだから、君一人で抱え込まないでよ。他の皆だってそう言っていたでしょ?」
僕はそう言って、彼女の好きなホットミルクを用意する。彼女は遠慮する様子を見せているが...
「君って、一度目が覚めると寝つけないタイプなんだしさ。ほら、これ飲んでよ。体を多少は温めてくれるから、また寝やすくなると思うよ?」
机の上にホットミルクを二人分用意する。
「それに、ずっと立ちっぱなしだと疲れるでしょ。また眠くなるまでは話ぐらいは付き合うよ」
そう言って、大学時代に知り合った彼女の昔話を聞く。新たな発見だなぁ...とか思っていたら、僕たちの昔話も聞きたいらしい。
「ま、片方だけが話すようではアンフェアってやつかな?それじゃ、今ではインテリサッカー選手となった、我らが篤人の話をしよう」
おどけた感じで言って、大学時代の篤人しか知らないだろう彼女に僕たちと出会う前の篤人の話を聞かせる。中等部時代、進学校なのに勉強が苦手で問題児扱いだったこと。各先生からお手上げ状態の所、学年で一位二位を争う僕に生徒目線での勉強の付き合いを頼まれたこと。放課後、料理の勉強のために強面の先輩に頼ったこと。高等部に入ってからの様々な行事の話題を含めて話した。
「他には何が聞きたい?...夏奈かぁ...出会った頃はお転婆系だったね。...え、今も?まぁ、確かにそうかもしれないね。でも、そんな元気なところに、僕たちも元気を貰ったんじゃないかな?」
僕がそう言うと、君は頷く。しばらく話しているとそろそろ良い時間かもしれない。
「君もそろそろ眠くなってきた?それじゃ、そろそろ寝ようか」
そう言って、リビングを出ようとするが服の裾を持たれた。
「どうしたの?」
僕がそう聞くと、僕の昔話も聞きたいらしい。だから、机に戻って話そうとしていると他の皆も部屋から出てきたらしい。
「今日は休みだし、このまま皆で話そうか?」
そう言って、追加で飲み物を用意する。まだまだ暗く冷えるこの時間。しかし、集まった僕たちの心は小さな命と共に明るく暖かい。
「皆と一緒にいるって良いよね」
僕がそう呟くと彼女達も頷く。かつて一人だったこの家も賑やかになったなぁ...と思いつつ夜は更けていくのだった。
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