我らが征くは星の大海

あの文字通り命を捨てた戦いから1か月がたった。







連盟との戦いも終わった。連盟は最終的に、多くのユーザーを失った。全盛期は200人規模までに成長し最も巨大な戦力として活動していたが、俺により100人以上が間引かれた。


連盟所属の全ユーザーが俺による襲撃で打撃を受けた。なんと盟主である【陛下】は1位【迷宮】と同盟関係だったらしく、あのドラゴンメイドが俺を撃破後、俺の主要なユニットを個別に寿命で殺すという恐るべき計画を練っていたのだが、ドラゴンメイドの敗北で最後の希望を絶たれた【陛下】率いる中位ユーザー連盟は完全降伏した。


連盟が降伏する前に逃げるようにして脱退したユーザーもいるのはいたが、それで逃がす俺ではない追撃して降伏させた。



問題となったのは、撃破したユーザーの残した国と軍隊だ。こいつらはユーザー撃破後も健在で、どうにかして処分しなくてはいけないと考えたのだ。



つまりは蘇生と転生である。転生の祭壇はユーザーを生き返らせることができないという制限があることが判明したが、首無しのアンデッド化による蘇生は可能だった。しかも普通のネクロマンサーの蘇生は能力を失って弱体化したり、容姿が醜くなるなどマイナスの面が多いが、首無しの蘇生は生前と変わらぬまま、むしろ強化状態で蘇生することが可能である。


ユーザーとしての力を持ったまま蘇生することが可能なのだ!さすがSSR!しかもこの能力は生まれつき持っていたらしい。運営とはなんの関係もないのでナーフされることもない。


俺は次から次へと蘇生し、300人以上が俺の傘下となったのだ!




最後にあの1位【迷宮】である。正直言って77回爆死してもあのドラゴンメイドは瀕死ではあるがまだ生きていた。とどめは俺が自ら槍で貫いたが、正直言ってもう戦いたくないし勝ち目がない。



300人以上のユーザーを従えたが、それで互角といった感じだろう。俺は正直ビビっていた。




…が。なんと1位【迷宮】はドラゴンメイドの遺体の引き渡しを条件に降伏を申し出た。



どうやらあのドラゴンメイドたちは1位のユーザー【迷宮】の指示のもと行動したわけではなく、勝手に行動した独断専行であったらしい。本人は仲間と共にのんびり酒池肉林して暮らせればよいという平和主義者であり、勝手にユニットが主のためにと行動して1位になって困惑し、逆に迷惑していたそうだ。


ダンジョン運営も面倒らしく、【五星】が後継者にと言い寄ってきて困っていた。俺が【五星】の一角であるシュラハトを撃破してダンジョンを支配したことを教えたら、「仕事が減った」と喜んでいた。



俺は転生の祭壇にぶち込んで蘇生させ、生きた状態で引き渡した。泣いて喜んでいた。



あと、1位【迷宮】は少数精鋭であり、ドラゴンメイド級のユニットがあと10体は存在しているらしい。ひえーーーーー。





そしてNTRビデオレターの神を生み出す能力持ちの奴が俺が忙しい隙を狙って攻撃してきたが、もはや敵ではなかった。


こいつのために用意していた【対神兵器】をありったけぶち込んで、さらに1位ユニットたちや7号率いるホムンクルスの前に報復され、最後は7号に討ち取られた。


ついでに俺の神話体系に何百もの神が組み込まれてしまった。一部の神は冥府の神エリオと同格又はそれ以上のやばい神だったが、それ以外の大半は【プラモデルの神】【埃の神】【アップルサイダーの神】【ふりかけ卵味の神】といった微妙な神である。いらねー。



そうして新たに多くの仲間を従えた俺は、イベントを終わらせに行った。天使狩りである。





第3回イベントは無事終了した。俺と連盟との戦いで100人規模のユーザーとその軍勢が脱落し、一時はイベントクリア失敗の危機に陥るかと思ったが、特にそんなことはなかった。全エリアに本気を出した億を超えるホムンクルスユニットたちと隠していた秘蔵の高レアリティユニットの無双。


そして撃破して蘇生した天使や神、従えたユーザーや他にも完全復活した『魔』のダンジョンの人たちにより数の暴力で圧殺。



俺はちょっと引いている【傭兵会社】のエヴァ率いる『下位ユーザー連合』とかなりこちらに有利な同盟を結び、『下位ユーザー連合』により撃破された司令官や強い天使を蘇生と転生で我が軍に組み込み、下の第1エリアから一番上の第50エリアまで怒涛の進撃。


この間攻略して撃破した天使や司令官など、使えそうな奴らは片っ端から蘇生と転生で味方に組み込んでいくため、戦力は雪だるま式に増加、勢いは落ちることなく、そのまま最終エリアである第50エリアに到達。



山田神話の神々と敵天使神話最高神とその従属神との戦いは凄まじかった。


最終決戦は月面であった。


鎧を着てスカイツリーくらいの大きさの馬に跨ってこちらを蹂躙する敵主神【月の森の神】

空を埋め尽くす宇宙艦隊。噴水から召喚された地獄の軍勢。マッドサイエンティストにより改造された大怪獣。疲れ果てた死人。敵主神に群がる有象無象の神とホムンクルス。堕ちる星。ライダーキックを決める山田黄金像。無残にも蹴散らされる傭兵会社の軍隊。



B級映画みたいで面白かった。






まあ、いろいろあったがイベントはオールクリア!完璧だ。




俺はランキング1位!圧倒的1位!最下位からの大逆転である。何百ものユーザーを支配下に置いた俺を抜くことは誰にもできないだろう。

運営、見てるか?ゲームは俺が勝者で終わり!これにて終わり!俺がそう決めたから終了!お前らが何かしようとしたら、直ぐに阻止してやる。









…さて。多くのユーザーは俺に対して勝ち目がないと考えたのか、俺の講和または降伏要求に従ってくれた。従わない奴は滅ぼして蘇生した。



そこで俺は情報を多く手に入れた。その中で最も興味を引いたのは、宇宙艦隊を所持していたドイツユーザー【艦隊司令】の話である。




こいつは地球を支配せんと、地球に対して星間艦隊を派遣していた。だが距離がかなりあり、エネルギーの問題から、時間がかかり、地球に到達するまで、一年以上かかるらしい。



だが、今は違う!今はすべてのユーザーが協力し合える!


例えば、俺がテレビショッピングで購入した、ダイソン球!これでエネルギー問題は解決だ!

その他問題も多くあったが、全ユーザー1000人の協力もあり、問題はすべて解決。




ユーザー1000人が乗った星間艦隊が出向した。里帰りだ!










「さあ、見えてきたぞ!」







目の前には青く輝く地球。俺たち地球人の故郷である。


ああ、美しい。俺たちの故郷はこんなにも美しかったのか。


何もかも懐かしい。一年も離れていないのに、ここまで心を動かされるとは。




…ちょっと軌道エレベーターができていたりするが、これはまあ許容範囲内である。



さあ、これから何が起きるだろう。宇宙開拓時代かな!

わからないけど、きっとこれから面白いことが起きるはずだ!俺たちの前には、未知なる宇宙の世界が、星々の世界が広がっている!




●こちら月面天文台アルテミス。主の帰還を歓迎します。無人機の誘導に従い、軌道エレベーターへ入港をおこなってください。




「こちらは山田ドラゴンガチャ共同体リーダー、山田竜。さあ、家に帰るぞ!」



___________________________________________________________________________

はい、これにて『ガチャと僕のプライベートプラネット』完結です。




投稿し始めて約1年間、間に忙しかったりスランプに陥ったりしたりしてすみませんでした。しかし4月から新社会人になりますので、一区切りつけるという意味でも、4月までに終わらせたかったので頑張りました。連載を望んでいた人はすみません。


短い間でしたが、最後までありがとうございました。本当にありがとうございました。正直ここまで評価させてもらえるとは考えていませんでした。


未完結作品が多いネット小説で、完結まで持ってこれたのは、皆様のおかげです。


https://twitter.com/taiyoukuntax


Xのアカウントです。次回作のお知らせや、その他いろんなことをポストしています。


新作は具体的には、都会憎悪主義者が主人公の話を構想しています。


感想や評価、レビュー待ってます。書籍化も待ってます。


長く書きましたが、これで終わりです。本当にありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう。

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