ごみごみごみごみ&ごみ

山田ドラゴンガチャ王国の主要産業は何だろうか。




一つ、ベーコンキャベツ。宇宙船の技術と希釈した植物成長剤を惜しみなく使った超ハイスピードでモリモリ成長するベーコンキャベツは味も見た目もベーコンなのに、栄養とカロリーはキャベツとほぼ同じという、非常にヘルシーな食べ物だ。



これをクエストで取引して入手した調味料付きでホムンクルス相手に売り捌いている。一日500GPで食べ放題だ。

お得でしょ?





二つ、みかんジュース。蜜柑の樹に取り付けられた蛇口から無限に排出される蜜柑ジュース。この蜜柑ジュースも一日500GPで飲み放題。


そしてこの無限蜜柑ジュースを『スキル ミダースの手』により黄金に変えた物をクエストで売り捌き、トイレットペーパーなどの日用品などと交換している。


この黄金が凄まじく高価で売れるのだ。ちょっと蜜柑ジュースの飲み残しを黄金に変えるだけで山のような物資が手に入る。おかげで物資には困らない。





三つ。飲食業。寿司屋、卵の酒場、騎士の食堂などの飲食店はホムンクルスが大勢来店し大儲け状態だ。この飲食店より法人税を徴収し、莫大な税収を手に入れることに成功した。



デリバリーサービス、伝説の惣菜屋より法人税を徴収しようと異空間より商品を届ける若者を呼び止め、税金を払わせようとしたが、「自分バイトなのでよくわからないっす」と言われ逃げられている。


いつか莫大な追徴課税を課して搾り取ってやる。




四つ。その他。それは本当にその他だ。ゴブリンの経営する占い屋、2号のマッサージ店、そして運命教会の寄付金。



運命教会最高司祭のアリスは俺の徴税に抗議してくるが、神の言うことに逆らうのか?というと黙る。


そもそも、そんな寄付金集めて何するんだよ。






そして最後に。我が山田ドラゴンガチャ王国の中で最も大きな産業である。


それは…。







「ろーーん!」



「ツモ!大三元ッ」


「よし、上がりだ!」「ウノ言ってない!」「ぁぁぁぁぁ」


「そんなバカなッ、破産するぅ!」


「うわぁぁぁぁ!」




そう、賭博である。


もともと麻雀と人生ゲーム、そしてバーに設置されてあるビリヤードやダーツでそこそこの規模の賭博は行われていた。


そんな賭博で俺は大敗北を繰り返し、俺は一度麻雀はやめて、麻雀についての勉強を行うことにした。




俺はクエストにより様々な日用品を取引しているのだが、俺は7号に麻雀で勝つため多くの麻雀に関する書籍や心理戦を学ぶべく、ギャンブル漫画を手に入れた。



俺は麻雀の専門書を読み込み、ギャンブル漫画はその合間に読んでいたのだが。



ホムンクルスが麻雀漫画を読みたいと言い出したので俺は快く貸し出した。それが地獄の始まりだった。




そう、ホムンクルスは影響を受けやすいのである。





数多くのホムンクルスがギャンブルにハマり込むのに時間はかからなかった。


麻雀はこれまで一部の麻雀好きなホムンクルスが行う暇つぶしでありお遊びだったのだが、全財産を賭け、破産し、大勝するホムンクルス達が占拠する地獄へと早変わり。



そのホムンクルスの異常な熱気と空前のギャンブル漫画ブームに次々と影響を受けたホムンクルスは雪だるま式に増えていき、俺に対してクエストで麻雀台や漫画、そしてトランプなどの勝負が出来る遊び道具を要求してきたのだ。


皆、凄まじい、ギャンブル漫画に登場するギャンブラー特有の、凄まじいオーラを纏っていた。怖い。





そしてホテルの空いているエリアに麻雀などの娯楽品を設置し、そこはあっという間に殺伐とした賭博場へと早変わり。



一日中ダンジョンで働き、次々に全財産を使い果たし、破産していく。



幸いなのは、ホムンクルスは純粋なのでイカサマ、暴力沙汰、ルール無視などを行わない。


しっかりと勝負前に挨拶をしている。礼儀正しいのだ。でも一応賭博場に関する法律を布告しておいた。



そして賭博場に入るためには、入場料としていくらか徴収している。もう大儲けだ。



最高司祭アリスは賭博場の入り口で寄付を募り金のアクセサリーをホムンクルスに売りつけ、ゴブリン占い師は占いと胡散臭い商品で儲けていた。商魂たくましい。




そんな地獄の中、今日、最強の麻雀戦士を決める戦いが始まったのだった。




北風。


多くのホムンクルスの屍の上に君臨する賭博場の女王。




全ホムンクルス統括個体 ハブ 七号。


もちろんこの賭博場内では、通常の人間と同等の能力しか使えないように命令してあるので、機械馬や合成ホムンクルスなどは人間の能力の範囲内まで脳の処理速度を下げており、極端な個体差は基本的に存在しない。



なので七号は賭博時は統括個体としての力を使っていない。それでこの強さか。




西風。


暗殺者スナイパー。


この男は多くの修羅場を経験し獲得した勝負感、そして弾道を計算するその鍛え上げられた脳、圧倒的なまでに濃密な人生経験により培った心理戦のエキスパート。場を支配し、多くのホムンクルスを葬ってきた。




南風。


ホムンクルス(堕天使の羽)


ダンジョンでドロップした堕天使の羽との融合により誕生した、背中に漆黒の翼をはやした青年。


戦闘でも謎の黒い光線を放射し、敵を撃破する実力者。麻雀では堅実な選択により勝利を重ねてきた。


名前はジェパード。ホムンクルスは生産時、自動的に生成された名前が与えられる。




東風。



俺。運命教会が崇める、運命と幸運を司る神にして王。








今、この俺が有り金を搾り取られることがほぼ確定した麻雀が始まるのだった。












あぁ~、惜しかった。後少しで国士無双だったのになぁ。


さて。麻雀で負けたことは忘れよう。


運というのは、不運が来たら幸運が来る物だ。



今日のログインボーナスは通常ガチャコイン。



こいッ。







ガタンッ









HR『スキルガチャ』




出現したのは、ガチャだった。


そう、ガチャである。俺が今までコインを入れてレバーを回し、様々なアイテムを入手してきたガチャが出てきたのだ。


しかしこれまでのガチャは赤色だったが、このガチャは水色だ。スキルガチャ、どういうことだろう。







●『業績 新しいガチャを手に入れるを達成しました!』


『報酬としてスキルガチャ専用6連ガチャコインがプレゼントボックスに追加されます』




うおおおおおおお、6連ガチャ!

6回も回せるのか!



このスキルガチャは、一体普通のガチャと何が違うんだ?スキルガチャ、という名称からまさか………








●スキルガチャ


このガチャから排出されるアイテムはスキル限定!


CスキルからSSRスキルまで、多種多様なスキルを手に入れることができます。


しかしその代わりに振れ幅が広く、排出されるスキルは誰にも予想することが出来ない闇鍋状態です。


当たれば非常に強力ですが、外れれば微妙なスキルが排出されます。


このガチャより排出されるスキルは自動的に山田様が習得され、山田様以外が習得することはできません。



 



来たッ、スキルだけ!


これはいいぞ、今までのガチャは何が出て来るのか本当にわからない、本当に分からないガチャなのだ。


そんな闇鍋からスキル限定で入手出来るのだ、排出されるアイテムを大きく絞り込むことが出来る。


スキル確定コインが無くても、スキルを手に入れることが出来るのだ。闇鍋?外れれば微妙?今までだってそうじゃないか。




さあ、今日の無料ガチャと、先ほどの6連ガチャコイン、合計7回だ!






ガタンッ









 


C『へそで茶を沸かす』

C『無くしたパズルのピースを見つけることができる』

C『ヘディング○』

C『いちご狩り職人』

C『佃煮(母の味)』

C『光合成(植物プランクトン)』

C『習字あ』






…い、いやまだだ。もしかしたら使えるスキルかもしれない。


そう、何事も確認が大切だ。さあ、システムウィンドウよ、スキルの効果を見せてくれ。







C『へそで茶を沸かす』


おへその上にヤカンを置けばお湯を沸かせます。宴会芸に最適。



C『無くしたパズルのピースを見つけることができる』


スキル名そのままです。



C『ヘディング○』


中学サッカーで活躍できる程度のヘディングができるようになります。


C『いちご狩り職人』


いちごを素早く採ることができます。


C『佃煮(母の味)』


お母さんが作ったかのような安心感を感じる佃煮が作れます。



C『光合成(植物プランクトン)』


植物プランクトン並みの光合成ができます。


C『習字あ』


「あ」が綺麗に書けるようになります。





ご、ごみだ。予想以上にゴミだ。効果を詳しく見てみれば違うかと考えたがそんなことは無かった。


ゴミはゴミだった。


ブックメーカーもやる気がないのか、それともそれ以上に説明することがないのか説明が非常に簡素で単純。



使えねぇ…。このガチャ、ゴミでは?正直、普通のガチャを回さずにこのスキルガチャを使うメリットを感じない。


当たれば強いとあるが、その当たりが出るまでに何回回せば良いのだろうか。




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