第一部 完
これより、ホムンクルス製造実験を開始する!
一昨日ガチャから排出されたホムンクルス製造機。
ガチャから出た時はこれ絶対封印すべきだろと思ったが、時間が経ってくると色々と使ってみたくなるものだ。
俺はホムンクルスを生産してみようとマッドサイエンティストに提案したところ、彼らは歓喜して俺にこのホムンクルス製造機がどのようなものなのか話してくれた。
なんでもこの製造機で作ることのできるホムンクルスは通常のホムンクルスではなく、戦闘用ホムンクルス、戦闘の面だけで言えば人間の上位互換のようだ。
人間を凌ぐ動体視力、反射神経、筋力、さらに生まれつき脳に戦闘に関する知識が備わっており、訓練もなしにある程度剣や銃を使えたりするらしい。
そして衝撃の事実。俺の支配下にいるホムンクルスユニットは全員が戦闘用ホムンクルスだったのだ。
俺は思い出す。7号が神剣アイギスを振い、破壊不能オブジェクトである壁を壊そうとした際の、素人とは思えない構えを。
さらにあいつらは銃を訓練をほとんどせずに使いこなしていた。そう言うことか!
そんなホムンクルス製造機だが、このホムンクルス製造機から作られるホムンクルスには、戦闘以外の一つのテーマが存在するらしい。
その名も多様性。
同じ思考、同じ肉体のホムンクルスだけの軍隊では、非常に脆いと判断された。
そのためこの製造機では、全て同じホムンクルスではなく、乱数とあえてホムンクルス製造の技術を落とすことによりホムンクルス製造を不安定にし、身長や体重、見た目や得意不得意など、一人一人違うホムンクルスを作成できるようだ。
俺はけん玉が得意な8号を思い出した。他のホムンクルスは全くできなかったのに、彼女は天才的な才能を発揮した。なるほど、個体差が。
そして合成機能。
…合成機能⁈
ホムンクルス製造機、この機械に物を入れると、ホムンクルスと物が合成され、その物の特性を引き継いだ、特別なホムンクルスが製造できるそうだ。
えぇ…いきなり倫理観がぶっ飛んできたな。
さぁ〜て、何を合成しようかな。色々あるぞ〜、ガチャからガラクタが大量に出てきたからな。倉庫管理のためにもどんどんぶち込んでいこう!
そして俺が選んだ、比較的要らなくて面白そうで役に立ちそうで、害がなさそうなものを選んだ。
スキルの秘伝書『電気ショック』
2号がこの秘伝書を読んで電気ショックというスキルを手に入れたのだが、この電気ショックは非常に弱いスキルで、今やマッサージに使われている。
だが2号は諦めなかった。なんとこの前電気の球を生み出し、それを的に当てて黒焦げにすることができたのだ。
そんな秘伝書だが、誰が読んでも習得することができなかった。
おそらく、一度きりの使い切りなのだろう。
俺はこの秘伝書を合成素材にすることにした。
既にコピーは取ってある。
俺は秘伝書をカプセルの中にぶち込み、製造機を起動する。
さぁ、いでよ、新たなる俺の民よ!
ブカブブクブク…
ホムンクルスの入ったカプセルが泡で満たされ一瞬強い光が発生する。
そしてカプセル内より緑色の液体が排出され、カプセルの扉が開き中のホムンクルスが現れる。
白髪赤目の男性型ホムンクルスだ。研究所のスタッフが全裸の彼に入院服のような服を着せる。
おーい、聞こえてる?我がホムンクルスよ。
彼は口をパクパクとさせる。そして自分の声が出ないことを理解し頭を下げてくる。
あぁ、別にいいよ謝らなくて。ホムンクルスが最初話せないのは知ってるから。これから話せるようになるから安心していいよ。
それよりも、だ。電気ショックは使える?
彼は頷く。
じゃあちょっと見せてほしい。
彼は研究所の兵器実験室に連れて行きその能力を見せてくれた。
彼の右手がバチバチバチッ、と電気で覆われ、腕を振るうと猛スピードで電気が空気中を走り、的に当たった。的は粉々になり、黒焦げだ。
えっ、オリジナルより強いじゃん。まじで?2号が不憫だ。
今日のログインボーナスは通常ガチャコイン
さぁ、来い!
ガタンッ
UC『社畜死神』
出現したのは、女性だった。薄い金髪に紫色の瞳。片目は前髪で隠れている。
魔術師のような、花の装飾が施された紫のローブとロングスカートを身に纏っている。
そして彼女は両手で大きな鎌を重そうに持っていた。
あのぅ、私死神です。よろしくお願いします
あ、あぁ。その…大丈夫?
そう、その死神は非常に疲れていそうだった。鎌を杖のようにして体を支えていて、目のしたには隈がある。
もういやなんですぅ…、働くのは嫌なんですぅ。迷った魂を導くのも疲れたんです!
休めばいいのでは?
私は死神なんです!そんなことはできません!うぁぁぁぁん!
あぁ……、死神っていうことは死んだ人の魂を集めたりするんだろう?なら大丈夫。ここは誰も死んだりしないから。
本当ですか!うわぁぁぁぁん!ついに休めるんですね⁈
とりあえず寝たら?
無料ガチャ。
ガタンッ
SSR『ダンジョン』
キュイイイイイイイイイン!
ショッピングモールのイベントスペースから大きな音が聞こえ、その場所から青白い強い光が発生した。
どこからか発生したのか、大量の光の粒子がイベントスペースに集まっていく。
光が収まると、イベントスペースにそれは出現していた。
渦だ。大きな青白い渦が発生している。
●ダンジョンが出現しました!明日より一ヶ月限定でダンジョンフェスが開催!ダンジョン攻略に役立つユニットやアイテムの排出確率が上昇します!
●ダンジョンはいつでも入場できます!落ち着いて攻略していきましょう!
●ダンジョンの攻略報酬はあなたのゲーム進行度を大幅に進めることができます!頑張って攻略を進めましょう!
●用語一覧の『惑星』がアンロックされました!
俺は出現したダンジョンに向けて鑑定を発動する。
●モチーフ『魔』のダンジョンマスターが生み出したダンジョン。
惑星【編集済】にて五星の座に位置する。
何百年にも渡り数多くの侵入者の迎撃に成功した難攻不落のダンジョン。
内部は悪質な罠と複雑な迷路、進軍困難な地形で構成され、内部はゴブリンやオークなど数多くの種族で構成された軍隊が支配する。これはダンジョンなどではなく一つの国家である。
ダンジョンマスター シュラハト
全98層
踏破報酬
SSR確定ガチャコイン10枚
惑星確定ガチャコイン一枚
外出権
●『惑星』
あなたが治めるのは一つの惑星。こんな小さなショッピングモールではありません。
あなたは王となるのです。惑星の王に。
…なるほど。俺は勘違いをしていた。
このゲームは国家運営ゲームか何かだと思っていた。
だが、違う。これは国家なんて小さなものではない。
惑星を開拓する、惑星国家運営ゲームなのだ。
こちらの戦力は
俺
ホムンクルス
動物兵
剣闘士
店員
法務省6課
マッドサイエンティスト
機械馬
軍人
アンデッド軍団
宇宙人
死神
騎士
最高司祭
その他数名
戦力は不十分。数が少なすぎる。これで難攻不落のダンジョンは攻略できないだろう。
だが、一部は一騎当千の兵士。
それに俺にはガチャがある。
戦力なんてガチャから入手すればいい。
全員、ダンジョン攻略準備!お前らの力を見せてやれ!
逆らうものは皆殺しだ!さっさと攻略して、外に出るぞ!
ガチャと僕のプライベートプラネット
第一部『ホワイトルーム』編 完結
次回 番外編を挟んで
第二部『ダンジョンアタック』編 開始
あのぅ…私、休めないんですか?ダンジョン攻略って、すごい数の死者が出ると思うんですけど…
…ごめん。残業はさせないから。
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