大集合!日本国法務省特別囚人管理部6課!

こことは違う、世界のお話。


その世界は人に害をなす化け物や物であふれており、政府は人々を守るためそれらを秘密裏に隔離、管理していました。


ですが時代が進めば進むほど、化け物たちは増えていきます。


どこかに大規模な管理施設を造ろう、いい場所はないかなぁ。



そうだ、ちょうどいい場所があるじゃないか。


日本、島国だしもし何かあっても日本だけで被害は終わる。最悪の場合核を打ち込めば万事解決。欧米からも遠いし、敗戦国の日本は何も言えない。


そして大規模な地下管理施設、『大監獄』が作られました。次から次へと日本に押し付けられる化け物たち。


馬鹿みたいに広い大監獄、金も人も膨大なコストがかかる大監獄。はっきり言って限界です。


そんな中、一つの案が提出、認可されました。


比較的まともな、人間に友好的な奴らを外に出し、働かせようと。




「そうして生まれたのが日本国法務省特別囚人管理部6課。それが私の所属です」





「うわああああああああああ、回したくない!」




「安心してください、6課の人員は比較的意思疎通が可能な人員で構成されています」



「比較的ってなんだよ!世界中の厄ネタが集まるんだろぉ!」



「まあまあ」




クソッ、あああああ、回したくない、でも回さないと!

今多くの視聴者が俺を見ているはずだ、ここで回さないと失望されてしまう!




くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。





ガタンッ

出てきたカプセルはSRが一つ。普通のカプセルが4つ。

よ、よかったぁ、全部がSSRという最悪の事態は避けられた。


まず開けるのはSR!






SR『アナスタシア』


現れたのは一人の少女だった。白い髪、白いドレス。ドレスは非常に豪華な装飾が施されており、丁寧な刺繍が縫られている。胸元には大きな宝石のペンダントが掛けられている。




「あら、ここが私の新たなる屋敷、そしてあなたが召使ね?我が名はアナスタシア。よろしくね?」



「彼女の名はアナスタシア。ロシア革命後に出現し発見当初すでにいくつかの町との連絡が途絶し、軍隊が鎮圧に向かうも敗北。最新の航空機による爆撃とロシア現地魔術部隊により鎮圧。以後ソ連内で確保されていたがソ連崩壊間近に日本へと引き渡されました。6課の氷系能力者最強です」




「ふふふ、何か私に献上すべきものはないのかしら。これでも元皇族、少しくらい我儘言っても罰は当たらないはずよね?」



「は、ははぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


俺は自然とひれ伏した。

あ、あれ、俺なんでひれ伏してるんだ?




「ああ、彼女には平民に対してある程度の強制力をもっています。いたずら好きなので気をつけてくださいね」




みかんジュースを貢いだ。喜んでた。








HR『バルムンク』


「おいおいおいおいおいおい⁈なんじゃこりゃあ!ガチャガチャから魔剣が出るなんて世も末だなあ!」


ほんとだよ。なんでガチャから剣が出るんだよ。






「えっ、剣じゃん」


「その通り。彼の名はバルムンク。ジークフリートという男が使っていた魔剣なのですが、彼の妻の死亡後変質。当時の騎士団を壊滅においやった魔剣です。戦闘狂なのでお気を付けて」



「いや、剣じゃん」


「はい、6課は人外も多く所属しています」




「ぎゃはははっははははっははは!この世界でも俺の名を刻んでやるぜぇ!だれがこの中で一番つよいんだぁ!」



「おーい、7号。ちょっと来てくれ」




「へえ、お前が最強なのか…あっ、その神剣を近づけるな、やめろ!」


魔剣は逃げて行った。7号は追いかけた。その後魔剣の悲鳴が聞こえた。








UC『少年A』



「あ、あんたはまともなのか?」


「まあ、普通かな」



「やったぁ、久しぶりにただの人間に会えた!これから常識人同士仲よくしようぜ!」



「すみませんね。彼は少年A、2018年、起源不明の発火能力を確認、彼が通う学校、市庁舎、県庁舎、教育委員会の関連人物の自宅、そしてある国会議員の事務所など計69の建造物の放火容疑が懸けられていました。しかしその後、彼の能力の有用性から6課に引き渡されました」



「放火、、、、常識人じゃないじゃん!」



「その時の彼は全能感にあふれていたのです。調子に乗っていたのです。普段の彼はごく普通の日本人ですよ。高等教育を途中まで終えていますし。6課の中でも数少ない、まともな人間です」



放火しても自分を常識人だと思える奴が常識人って。





C『軍人幽霊』


現れたのは、泥や煤で汚れた軍服を着た男だった。軍服といっても士官が着るような服ではなく、平の兵士が着るような服だ。背中に銃を背負っている。年齢は30代、男前だ。



「彼は第二次世界大戦末期のベルリン攻防戦の最中に発見されました。ドイツ軍内で不死身の兵士がいると話題となり、連合国内では銃弾が効かない兵士がいると噂となり、アメリカ軍魔術部隊が交戦、確保されました。

検査の結果霊体となっていることが判明し、元の肉体、まあ死体ですね。それも発見されました。


いやあ、運が良いですね。彼は6課の中でも常識人です。さらに言えば物理攻撃の完全無効化、しかし彼からの攻撃は霊体であるにも関わらず瞬間的に実体化して物理攻撃をしてくるのですよ。魔法的攻撃手段を持たない敵は彼がいるだけで詰みですね。それにしてもなぜ彼がCなのでしょうか」



軍人幽霊がこちらに歩いてくる。その顔は涙で濡れていた。



「アリガトウ、ナカマヲスクッテクレテ」




まあ、感謝されて悪い気はしない。







C『カメラ人間』



現れたのは異形の男だった。黒のスーツに白いシャツを着こなした男。


しかし男の頭部には、あるべきものがなく、あるはずのないものがあった。カメラである。大きなカメラがあったのだ。




ええ、こいつって、ええっ⁈



「彼の名はカメラ人間。2010年代後半より日本全国の映画館にて出没を確認されました。当初はいたずらかと思われていたのですが、一向につかまらない。映画上映終了後にはいつのまにか姿を消しているのですから。

しかし映画上映中に地元の不良に絡まれ、カツアゲをされてしまいます。通報を受けた警官によって不良は逮捕、カメラ男は警察を通じて法務省に引き渡されました。

起源はとある映画盗撮防止CMの拡散による都市伝説、噂が実体化したものだと推測されています」



映画の上映前に出てくる、あいつじゃないか!





そいつは俺たちを見ると、急によくわからないダンスを始めた。無駄にキレがいい。






「あれは何をしているんだ?」


「見てご覧の通り彼には口がないので話すことができません」



お前がいうな。



「ですので彼は手話やパントマイムを使って私たちに話しかけてきます」



「へぇ、何て言ってるんだ?」



「わかりません」



は?




「申し訳ありませんが私は手話を使うことができないのですよ」



「じゃあ、結局あいつは何を伝えたいんだ?」



「さあ?そもそも、彼は基本的にいつも踊っています。伝えたいことなんて無いんじゃないですか?」








みんなで麻雀と人生ゲームをやった。俺は麻雀。

俺の相手はホムンクルス7号、カワウソ、少年Aだった。


ふっふっふ。7号には勝てないが、カワウソは俺と同レベル、少年Aは今日麻雀を始める初心者。役一覧表を見ながら麻雀をしている。


そして俺はリーチ!高得点の役だ!これは勝った!



ツモ!少年Aが叫ぶ。はあ?


出してきたのは、東が3つ揃っただけの役。


お、おまえぇ!そんな低得点の役であがるな馬鹿がぁ!




この回、俺は一回もあがることなく負けた。




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日本国法務省特別囚人管理部6課


首無し  暗闇に閉じ込め視界を奪う。そして芸術と魔術に対し強い興味を抱かせその才能を目覚めさせる。


アナスタシア 6課氷系能力者最強。平民に対して強制力あり。


バルムンク 魔剣。勝手に浮かんで動き出す。破壊不能。敵陣に送り込めば敵は逃げるしか選択肢はなくなる


少年A   広範囲発火能力。敵がどこにいるか知ることができる索敵担当


軍人幽霊  物理攻撃無効。魔法的攻撃手段を持っていない場合敵は詰み。


カメラ人間 弱い。

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