こんなはずじゃなかったのに!
瀧 壮一
第1話(前編)
「あーあ。今から犯罪者でもきて僕らを人質にして脅してくるところで僕が反抗してそいつらを倒せないかな?そして好きな人から告白していろんなことに発展しないかなぁ。」
心の中でボソッと呟く。というのも今は五時間目の現代文の授業。申し訳ないが非常にどうでもいい授業である。
ああ、こんにちは僕の名は森田良晟。しがない私立高校に通う高校一年生だ。
とにかく最近の学校生活は何かと刺激が足りない。何もやり遂げた感を得ていない。中学生の頃から流行病で行事やらなんやらが通常通りにいかなくなった。
そのせいで他の友達との距離ができたことも確かだった。あまり直接は会わずネットで会話がメイン。高校に入ってからはクラスメイトとの交流の仕方がわからず話しかけることなど等の昔に忘れた。しかしながら少なくとも話せるぐらいの人はいる。しかもその人が僕とはまるで対照的な人。表現するなら森田の対義語はそいつ、といったところだろうか。しかしそいつと仲良くなったことは割とよかった。何故なら席替えの時、そいつに懇願すれば窓際後ろというビジネスクラス級の席にしてくれるからだ。今の席はそんな最高の位置。外を見ると体育でドッヂボールをしている他クラスの奴らが見える。楽しそうにボールを投げている。高校生だぞ。もう。こんなに騒いで先ほど食べたであろう昼食のパンやらうどんやらが胃で暴れて気持ち悪くなることぐらい察しはつくはずだろう。呆れたもんだ。だから私立は嫌だったんだ。まぁ、公立高校に落ちた自分に責任があるんだけども。
しかし妙にさっきから外のドッヂ勢がうるさいぞ。あら?よく見れば迷彩柄の覆面の被った奴らが学校に侵入してきたぞ。教員たちも急いで校舎に入るように指示をしている。すると放送が鳴った。
「校長先生、至急職員室までお戻りください。」
確定演出だ。僕は独り不気味な笑みを浮かべる。周りは授業を聞いたり寝ていたりしている。ただ先生の顔色だけは徐々に青白くなっていった。
すると教室の扉が開いた
「おい!お前ら手を上げろ。さもないとお前ら全員撃ち殺すぞ!」
まさか、本当に僕の教室に来ちまった。鼓動の音が姿勢を良くしても聴こえる。
次回に続く
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