十一日目 Dragunov

◆『冴える』◆

頃合かな、出るか。


「いやー、そんな驚かなくてもいいじゃん。一人の体を二人で使ってるだけじゃんか。」


ま、俺はもう人とは言い難いけど。

倒したと思っていたので固まっている第二位に声をかける。


「もう諦めない?表の俺より俺の方が断然強いよ?」


ま、諦めないんだろうけどね。


「この体いいんだよね。」

思わず呟く。


「だってこんなにも血が綺麗じゃん。」


あいつらはなんか怖いものでも見たかなような顔になる。


平衡干渉プライオリティ


あいつらは技を仕掛けてくるが、全てを止める。


この能力をメインに俺は組み立てるんだけど、表の俺はこの能力使えないからな~。


これはスカラーを操る能力。

ベクトルとスカラーのスカラーね。

物理界で、向きを持つのがベクトル。

向きを持たないのがスカラー。

温度や速さ、摩擦係数、質量がそれにあたる。


この能力が怖いのは、時間もスカラーに含まれるということだ。

頑張れば操れるかも?


速さも、マイナスの力を与えれば今とは逆向きに動かせるし、質量を0にすれば何しても関係なくすることも出来る。


要するに便利な能力だ。


「学校を襲ったんだ、覚悟はそりゃできてるよね?」


俺の背後の環が一際強く光る。


第四位が上空に逃げたな。

意気地無しかよ。


ま、この宇宙にいる限り絶対逃がさないけどさ。


変換適合SVD


取り敢えずそこらの砂粒を弾体にする。

これはエネルギーを変換する能力。

俺もないエネルギーを生み出すのは大変だから、俺は基本的に公転のエネルギーを使う。


刹那、第四位が空から落ちてくる。


それを見ると、レベル5の皆さん方は諦めたようで降伏した。





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