二日目 坂田璃子

◆坂田璃子◆

なぜ人類は月曜日なるものを発明したのか。貧乏と同じくらいには誰得な制度だ。


しかしいくら嫌だといえど学校は待ってくれない。

陰鬱な気分になりつつ学校の用意をする。


「なんか機嫌悪いね。」


「そういうあんたは月曜日が嫌じゃないの?」


「もっと寝ていたいとも思わないし、学校のほうが楽しいことは多いし別に良くない?」


あぁ、こいつはそういうやつだった。


ところで、うちの学校は特に制服はない。

表向きには、なれた私服のほうが授業に集中しやすかったり、能力を使うときも全力を出せるとのことらしい。

なので最悪寝間着でも怒られはしない。

絶対教職員が発注するのめんどくさがったからだろと思う。教職員だって能力者が多いのだから、それくらい、と思う。


「教職員だって忙しいし、能力も万能じゃないんだよ?」


そうか。こいつに言われるとなぜか納得せざるを得ない。


「よし、学校に行くか。」


「あんたは私のスマホに入ってるだけでしょ。」


通学路で親友と出会った。


「おはよう、栞。」


緋村栞。私の親友の名だ。刃剣研矢ブレードスライスという能力を持っている。

一度触れたことのある刃物を操る能力で200m程度までならいけるらしい。

刃物というのが包丁や日本刀だけでなくのこぎり、やすりまで操れるというから驚きだ。

なので彼女のパーカーの内側は大量の刃物がしまってある。

こちらとしては体に刺さらないか不安だけど大丈夫なのだろう。


彼女は話していたレベル5のうちの一人だ。彼女でも第九位というから驚きだ。


「月曜日やだね。」


と栞。


「ほんとにないよ。敦也が月曜日って良いよね、とか言い始めてさぁ。」


「また夫婦喧嘩してたの。」


「夫婦じゃないっ!!」


「そんなに恥ずかしがらなくてもいいんだよ?」


と栞。


「だから違うって。私と敦也はただの幼馴染っ!」


「わぁ、僕傷ついたな〜。」


「ちょっと今黙っててっ!話が紛らわしくなるっ!」


「今日も仲のよろしいことで。」

「そもそも四六時中一緒にいて、あまつさえスマホに入ることを許してるんだよ?これを夫婦と言わずして何と呼ぶの?」


「確かに……」


そんな会話をしているうちに学校についてしまった。

こんな誤解を皆にされている。

自分でも周りにこういう感じの人がいたら絶対そう勘違いしてる自信すらあるのでもう説明を諦めつつある私だった。

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