俺の彼女を友達の男に誘惑してもらうゲームを始める!

神石水亞宮類

第1話 俺の彼女を友達の男に誘惑してもらうゲームを始める!




“ひとつ俺には心配事があるんだ!”

彼女は俺だけをちゃんと見てくれているのか?

それを確かめる手立てがないかと、ない頭を考えて浮かんだ事は、、、?

“俺の彼女を友達の男に誘惑してもらうゲームを始める事だった!”



もし? 彼女が俺の男友達の誘惑に乗ったら? 俺は彼女と別れる

事に決めている!

彼女はその男達が欲しいならあげればいいし、俺にはもう彼女から

身を引くと決めたんだ!



当然! 彼女が俺以外の男に誘惑されるはずがない!

俺は彼女を信じている! “ただ確証が欲しいだけだ!”




・・・先ずは、“軽い気持ちで始めたゲームだった!”

男友達に彼女が一人の時にナンパをしてもらい、偶然お店で

また彼女と会って話しかけてもらう。

最初が最初だけに、彼女も男友達の事は気嫌いしていた。

ナンパから始まるゲームだから彼女は俺の男友達の事を

そう簡単に信用せず、好きになる訳がないと思っていた。



『ねえねえ? そこのオシャレなカフェで一緒にまったりお茶でもしない?』

『急いでるから!』

『いいじゃん! いいじゃん! ちょっとだけ!』

『無理無理! 急いでるから!』

『少しだけ足止めて話そうよ。』

『しつこい!』

『おっ、怖っ!? じゃあーまた今度ね!』

『・・・・・・』




・・・2回目は、彼女が女友達と居酒屋で飲んでいた時だ。



『あぁ! 偶然だねぇ~』

『えぇ!? 知り合い?』

『いやいや? 知らない! 知らない!』

『えぇ!? 憶えてないの? 最近、○○駅の前でナンパされたでしょ?』

『“あぁ、あの時のしつこい男!”』

『“誉め言葉だね! ”それより一緒に飲んでいい?』

『ダメに決まってるじゃん!』

『別にいいよ、いいじゃん! 男の人が居た方が楽しいし!』

『“お互い彼氏居るんだよ!”』

『たまにはこういうのもいいじゃない!』

『もう、仕方ないな~いいわよ!』

『じゃあーあっちのテーブルから飲み物持ってくるね。』

『でもさーなんで私なの?』

『えぇ!?』

『“他にもキレイな子はいるでしょ!”』

『オレのタイプの女の子だったからさ!』

『えーえ!? 嘘!? そんなに可愛くないし!』

『“失礼でしょ! 飲み過ぎよー!”』

『“ワタシは辛口なの!”』

『ごめんね、オレのタイプは二佳ちゃんなんだよ。』

『何かつまんない! もう帰ろうかな~』

『他の男友達呼ぼうか?』

『じゃあーまだ居るー!』

『分かりやすいよね。』

『まあね。』




・・・その後は、LINE交換もして徐々に二人は仲良くなっていった。

彼女も俺に隠れて、俺の男友達とコソコソ連絡を取り合っている。

俺は嫉妬で気が狂いそうになるところを必死で押し殺し冷静なフリをしていた。

彼女は男友達に気持ちが少しずつ移っている気がした。

ただ救いは? “俺と一緒に居る間だけは俺の事をまだ見てくれている”

とまだ知れたことだ!

彼女の目には俺しか映っていない!



でも男友達と会う回数も増えていくうちに、彼女が俺への気持ちが完全に

薄れて行くのが目で分かるぐらいまでになっていった。

もう彼女の目には俺は映ってはいない。




・・・“軽いゲームから始まった彼女を友達の男に誘惑してもらう”

事が現実になる!



そして遂に彼女が俺にこう言った。



『私と別れてくれない?』

『えぇ!?』

『“新しい彼がデキたの!”』

『“俺の男友達だろう!”』

『そうよ。』

『“知ってたのか?”』

『当たり前じゃない!』

『アイツの事が好きになったのか?』

『“これは! ゲームなんでしょ! そのゲームがクリアしたんだから喜ん

でほしいんだけどな。”』

『俺は俺の事を本気で好きかを確かめたかっただけなんだよ。』

『今更なに? こんな事しておいて、ゲームだったんだよチャンチャンて

なると思ってるの?』

『・・・そ、それは、』

『なる訳ないでしょ! それにこんなので確証なんて求めないでよ!』

『・・・・・・』

『“ゲームはクリアしたの、これで終わり! 私と別れて終わりよ。”』

『・・・お、俺はまだ好きで忘れられない、』

『もう遅いわ! 既に私の心も体も彼のモノになったんだもの!』

『・・・そ、そんな、』

『当たり前の話でしょ! こうなる事は想定外なの?』

『・・・い、いや、』

『そうでしょ! そうなるに決まってるじゃない!』

『・・・・・・』




“このゲームは、俺の男友達に彼女を誘惑させて普通に終わる。”

彼女は男友達の所へ行き、俺は彼女を失った。

何故? こんなゲームを始めてしまったのか?

今はただただ後悔しか残ってなかった......。

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