第102話本当にもうお腹いっぱいなんですけど
その言葉から、ルリも幼少期には両親から魔石をもらって色々な意味で成長して来たと理解する。
なるほど、ルリもそうやって強く大きくなったのね
なら、ユナもそうやって育てればいいってことね
まぁ~ユナは神獣だから、吸収させる魔石は厳選したほうが良いわよねぇ
リアとしても、ユナが神獣と判ってから、どういう風に育てるのが正当かをちょっと考えていたので、ひとつの指針ができたコトにホッとする。
そんな中、ルリが大きな元・皇帝陛下の第三の瞳を、リアへと持って来る。
「ユナに、あのトレント亜種? の魔石は吸収させた用だけど、コレはどうする? コレの扱いは、アタシでもちょっと困るモンだよ」
そう言いながら、何気にラグビーボールの一番大きなサイズを更にふた回りぐらい大きくして、もう少しずんぐりむっくりした、元・龍帝陛下の第三の瞳を、リアへと差し出す。
ルリが抱えて来た、元・龍帝陛下の第三の瞳は、その中央に瞳孔を表わす縦中の色違いの筋がしっかりと入っていた。
いやぁ~…大きさはめっちゃデカイけど、もの凄く綺麗だわぁ~………
透明度が極上の、中央に向かって色がより濃くなるグラデーションの紫水色
その中央に、黒色と見まごうほど来い深紅の縦長瞳孔が凄く綺麗だわぁ
本体の額に嵌まっていたら、さぞや見ごたえのある御姿だったろうなぁ~……
って、そこまで明るくできなかったけど、龍帝陛下って瞳を閉じていたわ
もしかして、抉り取られていたってコトかしら?
あの遭遇してからの、本当に短い時間のあの時に見た姿を思い出して、リアは無意識に身体をブルッと震わせる。
体中に杭のようなモノを打たれ、その杭に繋がる、呪詛のようなモノが練り込まれた鎖が暗闇の空間へと延びていた。
全身のいたるところに杭は打ち込まれていた、その全てに鎖が繋がっていたコトを思い出す。
あの杭の一つ一つから繋がる数えきれない無数の鎖から、生命力や魔力を吸い上げられていたのだろうと予測できたリアは、ゴキュッと喉を鳴らす。
あの時、龍帝陛下の双眸も第三の瞳も開いて無かったのは、そういうコトだったのね
もう、命の焔(ほむら)が切れかけていたから、瞳を開けている力が無かったと思ったけど
あんな姿にされていたし………ココに第三の瞳が存在するってコトは………
たぶんに、そういうことなのだろう
誰がしたコトかは、私にはわからないけど許されるコトではないわ
前世の乙女ゲームに、チラッと第三の瞳が出たコトがあった
アレはファンデスクに入っていたものだったのかしら?
それとも、初回特典として封入されていた、特別抽選券で当てたモノだったのかしら?
自分で買って、やり込みしたモノじゃないから、そこが判らないわ
あの妹(こ)は、だいぶ課金とかグッズとか買い込んでたものねぇ
そう言えば、買ったのバレると困るからって、私の部屋に置いていたわね
今更だけど、私があっちで亡くなった後、どうなったのかしらねぇ
いや、今更だけど、ちょっとだけ気になるのよねぇ
まぁ~…今は、それどころじゃないんだけど…………
そう言えば、隠しミッションイベントのひとつだったっけ?
ゲットしろ『龍帝陛下の第三の瞳』って、いうのがあったわね
私がやったルートに、そんな隠しミッションなんて出なかったのよねぇ
ああ、オープニングとエンディングの一部の場面はかなり正確に覚えているけど
その映像クレジットに、ほんのちょびっと、一瞬、色々とカットで入ってたのよねぇ
例えば、どっかの神殿らしいモンとか、幻獣らしいモンの一部とか人影とか
その中に、龍帝陛下の第三の瞳も映っていたんだよねぇ~………
アレって、深夜の宣伝用映像クレジットだったのかなぁ?
流石に、前世で終電か終電間際のに乗って、帰宅した時に見たモノは記憶が微妙だわ
たぶんに、そういうヤツだとは思うけど………
そう言えば、この大陸の話しもあったわねぇ
って………あれ? えっ…とぉ~………今、妙なの浮かんだんだけど
ちらっと……アゼリア王国の成り立ちの…穢れた土地の理由ぅぅぅぅぅ~………
あははは………もしかして、龍帝陛下の第三の瞳と関係ありぃぃ~…
現公爵と、ものごっつよぉぉ~く似た人物が、誰かから受け取っているんですけど
ソレ、ぜぇ~…ったいに…龍帝陛下の第三の瞳でしょぉぉぉぉぉぉ………
クソッ……観え無いっ…第三の瞳を差し出したヤツ……誰だぁぁぁ
んでもって、何、その可憐な少女から美幼女までのうつむいている集団
パッと見て、二十人以上いる娘達…みぃ~んな…死んだ目しているじゃないのぉ~……
これってアレなの? 生贄みたいなモノってコト?
たぶんに、龍帝陛下の第三の瞳と交換で、少女~幼女まで誰かに引き渡している
なんで、現公爵にあんなに似てるのぉ~かしらぁ?
いや、それ以前に、何処から流れた来た映像なのぉぉぉぉ~………
と、こころの中で思い切り叫んでいたリアは、ルリから差し出された元・龍帝陛下の第三の瞳を無意識に受け取って、抱き締めていたりする。
ちなみに、リア自身は無意識に、ほぼ条件反射で、ルリの差し出したモノ………主にルリが獲って来た獲物………を受け取るをしていたのだ。
そんな風に第三の瞳を受け取って、抱き締めたコトで、リアの中に本体の御霊が眠って居るコトに反応した結果が、妙な幻視であったりするのだ。
リア自身が、その現象や理由に気付くのは、この後しばらくしてからのコトだが、リアが幻視で観るコトになった映像は、その受け取った第三の瞳からなのは確かな事実だったりする。
そう、アゼリア王国は、その成り立ち以前から、問題ありの人物が、しっかりしと王国の中枢付近に紛れ込んでいたのだった。
もう、絶対に直視したくないような、真実へと思考が行きついた瞬間。
取り敢えず、現実逃避と物理逃避は必須だわ
私は、何も知らないってコトで、アゼリア王国のコトはパスよ
まずは、ここの古代遺跡を堪能したら、絶対にもっと遠くに移動よ
こころの中で、大きく叫んで握りこぶしを作るリアであった。
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