第6話 初めて魔物を倒すヒカル
あれからヒカルはメイリーンとともに1週間連続で薬草採取の依頼を受け続けた。
ヒカルは日中はひたすら薬草を探しながら魔力操作の練習をし、孤児院に帰ると寝るまでは引き続き魔力操作の練習、寝る前は生活魔法を使ってMPを0にする生活を続けた。
そして翌日・・・
「ヒカルー。起きてるー?」
いつものようにメイリーンが呼びにきてヒカルは目を覚ました。
起きると同時にステータスを確認するのはヒカルの日課となっていた。
(ステータスオープン。)
ヒカル
レベル1
HP10 MP50
筋力 4
魔力 20
敏捷 4
耐久 4
精神 10
スキル 異世界言語、全魔法適正、成長補正極大
(よっし!MPが50になったぞ。今日から魔物討伐行ってみるか。)
「ヒカルー。早く起きなさい!」
メイリーンに起こされて、今日もギルドに向かうヒカル。ギルドにつくと、
「メイリ。今日は魔物討伐を受けて見ないか?」
「えっ。魔物討伐って、大丈夫なの?」
「いつも行ってる草原のスモールラビットを倒すだけだよ。」
「う〜ん。スモールラビットなら・・・大丈夫かな。」
「決まりだね。薬草採取しながらスモールラビットも狩れたら報酬も増えるしね。」
ヒカルは常設依頼のスモールラビット討伐と薬草採取の依頼を受けて、メイリーンといつもの草原に向かった。
「それでヒカル?どうやってスモールラビットを倒すの?穴でも掘るの?」
「ようやく初級魔法が使えるようになったんだ。だから魔法で倒そうと思って。」
「いつの間に!?1週間前まで生活魔法すら使えなかったじゃない?」
「毎日寝る前にライトの魔法がんばったからな。」
「ライトの適正って火だっけ?」
「ああ。だから孤児院にあった本で詠唱もバッチリだ。メイリは水だっけ?」
「ええ。水と、それと光ね。」
(そうだった。メイリは珍しく2属性に適正があったんだ。)
「じゃあメイリも初級魔法使えるの?」
「水だけね。光の方は詠唱がわからないから使えないわ。」
(水の初級魔法は、ウォーターボールだったな。とりあえずメイリのMPがどれくらいかはわからないけど、俺の方は安全に見ても8回は使えるから気絶する事はないだろ。)
「なら魔法を使えばメイリもスモールラビットぐらい倒せるだろ?」
「多分・・・」
「それじゃ薬草採取しながらスモールラビットを探そう。先に俺が魔法で倒してみるから、その後はメイリが使って見ようか。」
「わかったわ。」
ヒカルとメイリーンは薬草を採取しながらスモールラビットを探した。
「メイリ。見つけた。あそこ。」
ライトが指さした先には、小さなウサギが草をムシャムシャと食べていた。
(異世界初の魔物だ。と言ってもウサギにしか見えないけど。正直魔法なんか使わなくてもナイフで倒せそうだ。)
「こっちにはまだ気づいてないみたいね。」
「うん。ここから魔法を使って見るよ。」
「落ち着いてね。」
「うん。」
(落ちつけ。落ちつけヒカル。深呼吸だ。落ち着いて狙えば大丈夫。)
ヒカルは両手をスモールラビットに向けて詠唱を開始した。
「火よ!その力で敵を倒せ。ファイヤーボール!」
ヒカルが詠唱すると手から火の玉が飛び出した。飛び出した火の球は野球ボールぐらいの大きさだった。
ファイヤーボールはスモールラビットに直撃した。
「よっしゃ!当たった!」
「すごいわヒカル。」
ヒカルとメイリーンは、ファイヤーボールが直撃したスモールラビットに近いた。
「ファイヤーボール1発で倒せたみたいね。でもこれじゃダメね。」
「ダメ?」
「ええ。スモールラビットの素材がボロボロよ。たしかスモールラビットで買い取ってくれる素材は皮と肉よ。火魔法のせいで皮は焦げてるし肉もこれじゃダメだと思うわ。」
「あっ!」
(そうだ!確かにラノベじゃ素材を傷つけない為に魔法なら火魔法以外を使ってたっけ。しかも火魔法って火力はあるけど森とかじゃ使えないじゃん。ミスったな。こりゃ早々にメイリには他の魔法を使える事を伝えとかなきゃな。)
「気づいてなかったみたいね。いいわ。次は私が水魔法で倒してみる。水魔法なら素材は大丈夫だと思うし。」
その後、スモールラビットを発見した時はメイリーンがウォーターボールの魔法で、素材を傷つけずに倒す事ができた。
その日は、持ってる袋がパンパンになるまでスモールラビットを狩った。
「それにしてもライトが4属性の適正持ちだったとわね。」
火魔法が素材をダメにする事を知ったライトは、その後、メイリーンに他の魔法も使える事を伝え、火魔法以外を使いスモールラビットを狩っていた。
「でも秘密で頼むぞ?変に騒がれてもいやだからな。」
(使えるのは4属性じゃなくて全属性だけど、それは言わなくていいよな。)
「わかってるわよ。4属性持ちなんて知られたらきっと貴族から目をつけられるわ。あっでも魔法学校とかからスカウトされるかも。」
「魔法学校!?」
「ええ。王都にある魔法学校は優秀な人を集めてるって聞いた事があるわ。」
(2年で入学資金を貯めなきゃと思ってたけど、スカウトとかそう言う方法もあるのか。一度調べてみないとな。)
「魔法学校か・・・興味はあるな。」
「私も・・・せっかく2属性の適正があるし興味あるわ。」
「そっか・・・」
「うん・・・」
「メイリ。それなら俺と、魔法学校を目指してみないか?」
「えっ!?」
「せっかく冒険者になったんだ。やりたい事をやらなきゃ損だろ。まあメイリがよかったら。だけどな。」
「ライトと一緒に学校・・・ライトと一緒に学校・・・」
「メイリ?」
「えっ?あっ、うん。そうね。ライトと一緒に魔法学校にいくのもおもしろいわね。」
「じゃあ決まりだな。一緒に頑張ろう。」
(よっしゃー!これでミッションクリアの希望が見えた!せっかく異世界にきたんだ。俺は絶対に死なないぞ。)
この日、ライトとメイリーンは、魔法学校に行く事を決めたのだった。
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