脱線線路
木野恵
脱線線路
言い訳と理由の違いはなんだろうか。
似ているようで違っているこの二つ。
説明するのが難しいので例文で比べてみる。
いじめをしていた理由を述べよ。
「呼び捨てされたのが気に食わなかったので、自分の立場を利用してみんなをけしかけさせました」
たとえそれが単語を言いそこねたものであっても、敬称を言い損ねてしまったものであっても、やってよかったことなのだろうか?
会話を試みることができるし、わかりあえるような気がしてくる。
いじめをしていた理由を述べよ。
「名前馬鹿にされた! 呼び捨てにされた! 許せない! いじめてやる!」
偶然口にしてしまっただけでも、名前を理由に人生を潰す勢いでいじめるのは狭量すぎて会話を続けようと思えないどころか、あんまり話しかけたいとは思わない。
前者が理由で後者が言い訳。
答え方の違いが言い訳と理由の違いにあると私は考える。
聞く方が責める調子だと後者になってしまう人は多いのではないか。
聞かれた側の精神状態にも影響を受けていそうである。
感情的になっていれば言い訳しやすい可能性は大いにある。感情的になると口調が荒くなりがちで言ってることがめちゃくちゃになりやすい。
なので、相手が言い訳してると感じたら落ち着いてもらってからが良いだろう。
落ち着いたときに話せば不思議と話し方も変われるもの。
日本人は言い訳を恥じる傾向が強い。
綺麗な精神の持ち主はつけ込まれやすく潰されやすい。
そんな精神の持ち主は同じ心、同じ志の持ち主とだけ共有していれば良いのではないだろうか。
誰にでも同じ態度で接していれば、利用しようとしている人、関わるべきでない人のかっこうのカモにされるので注意が必要だ。
相手を見て態度を変えるのは大事だということ。そのための観察眼を養うこともまた然り。
誰にでも善人である必要はどこにもないのだ。
そうしたいと思える相手にだけ善人の顔を覗かせるべきだ。
脱線線路 木野恵 @lamb_matton0803
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