その者、エクスキューズ
大黒天半太
いいわけなんだけど
この状態で、何を言っても、言い訳に聞こえるかも知れないけど、今日は本当に忙しかったんだ。
決して地下迷宮の方をサボるなんてつもりは、欠片もなかったし。日中の処理は、いつもと同じくらい、いや、いつも以上にやってるし。残業こそしてないけど、定時までしっかり昼の仕事はしたよ。
最後の詰めが甘いのは、認めるよ。自分的には、いつものことだとは思うけど、今回は特にひどい有り様だな。自分でも、そう思う。
木曜には、病院に行く予約入ってるから、休みを取ってる。だから、早起きしなくてもいいから、水曜日の夜は、もうちょっとがんばれるはずだったんだよ。
仕事は定時で切り上げて、そのまま真っ直ぐに一般向けの
本当だよ。
大急ぎで、仕事着からこの標準装備に着替えてきたし、武装だって装備にだって漏れはない。夕飯も早々にあきらめて、ファストフードで済ませて来たし、回復のポーションだって、いつもと同じくらいは用意したし、まだほとんど消費してないから、まだ全然余裕で潜っていられるんだよ。
間が悪いのは、俺のせいなのか?
敵が、低層階にいないタイプが集団で出て来たのは、偶然じゃなくて、俺が呼んだのか?
むしろ、普通に低層階の魔物に挑むより経験値は稼げるし、アイテムのドロップ率も高いんじゃない?
物事の悪い面は、目に着きやすいけど、それは見方で変わる部分もあるし、この冒険者(迷宮探索者)稼業にとっては、ハイリスクなのは、同時にハイリターンなのも約束されてるわけで、そんなに悪いことばかりじゃないよ。
入口付近の浅い、レベルの低い階層で、結構な緊迫感のある戦闘ができたなら。
な? 俺の言うことも、一理あるだろ。
その者、エクスキューズ 大黒天半太 @count_otacken
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます