手違いで青春のない現実です

はたけんたろー

第1話 いきなり見せてくるじゃん・・・

小4のころから中学受験の勉強をしていた 。

それはもう大変で。

自ら望んだわけではないが兄が受けていた影響もあり、

塾に通い、

寝る時間も

友達と遊ぶ時間も削り、いわゆる『人生の勝者』に向けて勉強をしていた。

そんな日々が続いたのでストレスもたまる。

小学校では先生の言うことを否定し、

大した語彙力もないのに気に入らなった家庭科の先生とバトルをしたり、

社会の時間ではあえて教科書を立てて、先生が気づいてくれるまで寝たふりをするなどをしていた。

そう、当時の俺は天邪鬼でひねくれた、イタい部類に入る性格だったのだ。

そんな思い出したくない思い出がたくさんの中学受験時代が終わり、

俺は無事第一志望校に合格することができた。

自分の設定をリセットできるのだ。その点から見たら、受験してよかったと思う。

やっと勉強しないで済む。あとは夢見た学校生活。中学に、高校に、

毎日が期待と興奮に包まれる、青春が――――――――



「男しかいねええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


桜舞う4月6日。斧田中学・高等学校入学式の日に俺はやっと重大なことに気づいたようだ。今後の人生にかかわるほど。


校門を通り抜けていく人、人、人を見ながら俺はもはや呆れも混じった声でそう言うと、隣にいる母さんに軽蔑するような目線を向けた。


「ここって共学じゃないの?」

俺は目を震わせながらそう言った。

「え、違うわよ。ここは男子校よ。言ってなかったかしら?」


は?

どういうことだ?

あまりの衝撃の事実に頭が追い付いていない。


そうだ。楽しみにしていた中学生活といえど、すべて母親が決めた中学を受けたの

だ。


「あんた、本番の時周りの受けてる人見えてなかったの? あはは緊張しすぎ~」

俺は黙って今現在の状況を整理しようとひたすら脳を動かしていた。

「・・・悪いことしちゃったね。とりあえず、学校入ろ。」


「嘘だろ・・・・・」

俺は現実を直視できずにいた。













































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