第29話 戦場の指揮官に忠誠を

詠唱をしゃべれどもしゃべれども

 宇治川悶、第3のスマートフォン・ゲーム開眼!

少年英雄団「→」シンデレラダービー「→」DQタクト

DQは言わずと知れたDRAMATIC QUALITYの略称。

「タクト」は言わずもがな指揮棒だけど

「タクティクス」を楽しむ遊戯である。戦略。


初代DQはコマンドを入力して、モンスターに対抗した。

今回は可動マスを移動して、それからコマンドを決めて、

最終的なアクションを待つ。主なアクションは攻撃の成否。

回復の失敗はほとんどあり得ない。そんなミス、面白味の半減だ。


『DQⅢ:S』が唱える不死鳥天来は物理判定では無く、術扱い。

「タクティクス」が高度になると術攻撃しか体力を奪えない敵も現れる。

『堕天使E』『道化師D』辺りが代表格。

視覚的にはダメージ判定が出る(攻撃判定前)が、実際に物理攻撃すると

「ミス」と表示「与ダメージ0」で攻撃終了! それでは困る。


 宇治川悶風情ではどうにもならないイベント……

それがランクマッチ。レジェンドシップに乗り込んで

世界中のDQタクト・ユーザーとリアルタイム対戦!

 クラスメイトの一人が圧勝した時の動画をグループLINEに貼ってくれた。

……何と言うメリハリのある戦術だ。

前衛には強力な勇者が左右に位置取り

中衛には回復役ががっちりと脇を締める。


 顔が見えない対戦者はやきもきしたことだろう。

【物理】で斬っても斬っても【魔法】を唱えても唱えても

屈強なるクラスメイトの勇者は立ち上がる。

 動画に反映された所作は、とても美しく見えた。

音楽演奏まで高次のSTAGEでは無いにせよ、


軍師が指揮棒を振って、戦況を操る様は或る意味、芸術への到達だ。

 伝えたいことは未だあるが、取り敢えず動画は21勝07敗だった。

どうやったら回復の壁を外せるか、正解は簡単。

前衛を潰すこと。与ダメージを上回る回復状態を崩すのは難しいが

それをされた側は攻撃スタンス、反撃スタンスにそれを活かせる。


攻撃から学ぶこと、防御から学ぶこと

それこそが「タクト」が提唱する「タクティクス」だ。

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