ＪＰ

第１６話 爆笑衣料をヤナイから

【RCP】ROSE CLOSET PROJECT始動！

　水川聖子プロデュースの衣料品が試験販売された。

根底にはファスト・ファッションが流れる

お財布に優しい価格帯。無論、薄利多売で質のいい製品を目指して行く。

　爆笑衣料（＝ROUGH WEAR）が一番近いイメージだ。

【RCP】も無地の商品が多く、豊富なカラーバリエーションで

顧客満足度を満たして行く。

　クラスメイトへの餞別に、【GOLD STRING】ロゴの入ったTシャツを

「白－金」「黒－金」の二タイプで展開中。

文字とギターのシルエットがGOLDで縁取られた逸品。

　梨大美幸も好んで買った。彼女もファスト・ファッション信奉者。

クラスメイトにもウケがいい、と言うプラスの流れは

水川聖子の気持ちを一気に盛り上げた。

簡単に強気にはならないが、自信を持ってブランド展開して行く。

　クラスの担任である西村富子先生が【RCP】に激励に来てくれた。

当時、新任だった彼女は今でもご健在。

　その日は、梨大美幸も手伝いに来ていたので、

バックヤードが三人の歓声で華やいだ。

「富子先生、お元気そうで！」

「いえいえ、わたくしも随分と年輪を重ねました」

「先生、時間の流れは同じだから加齢は一緒ですよ！」

「そうでしたわね、おーほっほっほ！」

　富子先生高笑い。釣られて美幸も高笑い。

　平和な時間が流れ、富子先生にMugen巡海の消息を伝える。

「あの子、卒業式に来なかったわね。今度、皆で式をやり直す？」

　社交辞令のような名案のような判定の難しいボールを放る先生。

美幸は賛成派だった。何なら横川くんも呼べばいい。

情報によれば、事実婚だけど、二人は今も同居していると言う。

仲睦まじいことは良きことだ。

※横川くんはMugen巡海の駆け落ち相手。

あくまで巡海は「六弦」と言ったり「無限」と言い張るけど。

12人が担当楽器を使いこなせたら、旦那さんもVIPで招待しよう。