第15話 三次元建築法を極めよ

未来の建築3Dプリンタ工法と外国人労働者

活動報告者:八木沼潤は隣家の建設をBGMにしながら

Mugen巡海に提出する報告書を作成していた。

 その一方で、国営放送の人気番組EANGで

3Dプリンタ建築の方法を知る。

建築基準法に則れない日本国では認可が難しい工法だが

一枚ずつ瓦を組んでる職人さん達の動きをチラ見していると

都会と田舎ではこうも違うのか、と可笑しみを感じる。


 八木沼が少し嫌悪するのは邦人が外国人を怒鳴り散らす場面だ。

建設会社の社名が入った服を着てるんだからウロウロするなとか、

玄関を片付けられない人間が二階に上がって釘を打とうとするなとか

色々怒号を浴びせるのがどうしても聴こえて来る。


 言っていることは両方とも正しいかも知れない。

でも、叱るのと怒鳴るのは違うと思う。

故郷を捨てて、若しくは故郷の為にはるばる日本まで来て

見よう見まねで働いている。

 長たる人間がストレス発散のはけ口にするのでは無く

一つでも有用な技術、一つでも便利な日本語を習得させて

この現場から撤収させてあげるのはどうだろう?


 3Dプリンタ工法は長所が沢山あって

日本が地震大国では無かったら、いち早く採用したアイデアだと思う。

 地震の有無が、地域差で顕著なら

土地と建造物の間にクッションを敷くような工法は無理だろうか?

縦揺れ、横揺れに強い住宅も出来ると聞いている。

縦横に揺れる前にクッションが全吸収してくれたら

被災と言う悲劇が減って行く流れに……。


 3Dプリンタ工法は火星でも有用に使えるらしいし

寧ろ、火星は玄武岩が豊富にあるので

現地調達で頑丈な住宅を築くことが出来る。

生物が棲めない環境と言う今迄の常識も

覆されたらしい。火星は地球の兄弟に成り得るのかも?

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