第07話 同級生対談企画:06
【六弦巡海を迎えての女子会開催!】
『06月』双児宮 六弦巡海【女性】「ムゲン メグミ」
『12月』人馬宮 梨大美幸【女性】「イデ ミユキ」
『02月』宝瓶宮 坪倉太眉【女性】「ツボクラ タイビ」
「大眉ちゃん、ごきげんよう」
「おお、六弦か、元気そうじゃの」
「わ、私を忘れないでぇ!」
「美幸を忘れる訳無いじゃない。元気してた?」
「うん! IDOLING LYRICは順調だよ!」
「儂もCRASHER DISHのことで頭がいっぱいじゃ!」
IDOLING LYRICは1980年代の作詞
CRASHER DISHは前衛芸術とも呼べる楽器の一種だ。
GOLD STRINGSでエントリーしている
Mugen巡海は皆の進捗状況を楽しみにしていた。
特に梨大美幸に依頼したアイドル全盛1980年代網羅は
この企画に外せない重要な音楽文化である。
マルチタレントのマキタスポーツさんが提唱していた
日本人が好んで使う、単語熟語にも着目!
梨大美幸は1/2/3文字を大体網羅出来ていた。
次は前人未到の4文字に挑戦だ。
「なあ六弦、仮に12人が各々の楽器を習得出来たとして
集客はどうするんじゃ?
この時世に断行するのかえ?」
「断行は大袈裟だけど、考えは幾つか用意してあるわ。
なんならフィールドワークの船上に招待してもよくってよ?」
「へぇー、船上ギタリストと12人の仲間達、かあ!」
感慨深げに肩書をなぞる梨大美幸。
確かに屋外コンサートだったら、危惧されている
三密問題は解消されそうだ。
Mugen巡海はこのプロジェクトを成功させて
晴れてプロのミュージシャンになろうとしていた。
ライバルであり、親友でもある土橋琴子にも
このことは隠さず伝えた。
彼女はこのことを手離しに、喜んでくれた。
デビュー曲のRECの際は、是非、私も参加させて欲しい、と。
そう言えば、Mugen巡海は事あるごとに
土橋の作品に関わって来た。
恩を売るつもりなど、更々無かったが
巡り巡って、善行は循環することを実感する。
「メグリン、私ね、題名考えたんだけど……
『汗と翼と青春』ってどうかな?」
『汗と翼』『汗と青春』『翼と青春』
ううん、学生時分はしっくり来るような、
汗が滲んだり黄ばんだりするような……。
「預からせて貰うわ。考えてくれてありがとう」
「なあ、儂にもやらせえや。お題はどこにあるんじゃ?」
坪倉太眉の急な呼び掛けに、梨大美幸が応じる。
グループLINEにいつかのキーワードを貼付した。
「ほほお、これらを組み合わせる訳じゃな。
じゃあ、儂も、宿題として持ち帰るかのう」
ガールズトーク炸裂と思いきや
案外、作品中心の話題で終始する三人女子会。
「じゃあ、おやすみなさい」
「又、カラオケに誘ってね」
「帰って皿でも焼くかのう」
三種三様の家路、漆黒がゆったりと、白んで行った。
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