第03話 同級生対談企画:02

【計量界の未来についての討論】

『06月』双児宮 両子蒼生【男性】「フタゴ ソウセイ」

『10月』天秤宮 葉狩公平【男性】「ハカリ コウヘイ」

「小娘にしてやられたな」

「ああ、じゅりあちゃんねえ」


渦中の固有名詞は「じゅりあ・すこてぃっしゅふぉーるど」

と言うグラビア・アイドルで

体重計に一切乗らずに気ままに痩せると言うダイエット企画を敢行して

見事に美BODYを手にするに至る。


「理屈から言うと、数値を計ったり、記録しなくても

他がしっかりしていたら痩せるメカニズムって全然あり得るからな」

「計った方が、ある程度の目安が出来ていいけどな。

こうなったら体重計以外の商品で一山当てるか!」


 餅は餅屋、器用貧乏と言う言葉が存在するように

手広くやろうとすると火傷する。

冬に機能するハロゲンヒーターのように、だ。


「こんな時、葉狩は連中呼んで麻雀でもするんだろ?」

「まあな、この前のモンちゃんの原稿読んだか?」


 八木沼潤の活動記録はグループLINEで一括送信。

クラスメイトはいつでも閲覧が出来る状態である。


「ビギナーとかレッテル貼りしてる場合じゃないなあ」

「少年英雄団は皆始めたんだ。

麻雀もクラスメイト杯設立と同時に、

全員参加スタイルにしようぜ」


 決して悪くは無い提案だ。

しかし、高校時代から染まってる連中にビギナー軍団が

太刀打ち出来るレベルじゃない。

こうなったらMリーグみたいにチーム対抗戦にするか?


「チーム対抗、いいねえ。東西で分けるとしたら

葉狩と大羊で決まりだな」

「巨塔の一角に据えて貰えて光栄だよ。

大羊は確かにラスボス感出てるなあ」

「優男だけに容赦はない」

「手抜きをイチバン嫌がる人種か……」


 体重計の件は、じゅりあ・すこてぃっしゅふぉーるど的なアイドルが

軒を連ねる様子なら、店仕舞いも検討に入れよう。

 そんなことより麻雀だ。対談した両子蒼生も、ビギナー枠。

高校時代はドラムスに青春を捧げた。

 器用に牌も握れば……後悔しても時間は遡及しない。


「……次は誰と誰の対談だ?」

「蟹江さんと魚住だってよ。

水族館……ってか、いきものがかり?」

「まあ、俺達は十二星座をまとった偽名でエントリーしてるんだ。

そう言う偶然だって、時には起こるだろう」


 両子蒼生=双子座 葉狩公平=天秤座

クラスメイトに配られる活動報告と言えど、一定のプライバシーは

保護される形を採りながら……


 大泉大羊=牡羊座 宇治川悶=牡牛座

二人は偶然、誕生月が重なる結果に。


 蟹江福井=蟹座  魚住慎一=魚座

いきものがかりな二人が話す、清き水には不魚住な話題とは?

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