パーティーをクビになったけど……
狐付き
それなりに強いパーティーから辞めさせられた
「悪いがお前にはこのパーティーをやめてもらう」
ダンジョンの攻略に失敗した翌日、リーダーから解雇通告をされてしまった。
「なんでだよ!」
こう言ってはなんだが、俺は今までそれなりに貢献してきたつもりだ。
「あのボスを倒したときだって、俺がいたからなんとかなったわけで……」
「確かにお前がいて助かった場面もある。だけどその他じゃただのお荷物じゃないか」
「そうよ敵がいてもピーピー泣きわめいて大人げない」
「ち、違……」
「ひとの良心に付け込んで、いい年して私たちに貼りついて……セクハラです」
女魔法使いと女僧侶も加わってきた。
違う、そうじゃないんだ! 俺の話を聞いてくれ!
「でも俺なしで今後どうするつもりなんだ」
「バッファなりデバッファを使いこなせる魔法使いを雇うつもりだ。お前を連れていくより遥かに楽なはずだ」
「それは……」
「これ以上言い訳するな。お前だって深く潜れば潜るほど自分が邪魔になっていることくらいわかってんだろ?」
確かに俺は自分で戦うことはできない。だけど本当に活躍したんだ。俺のおかげで助かったとみんな笑顔で中層ボスを倒したときのことを忘れられない。
「俺たちはもっと先を目指したいんだよ。それにはこれ以上お前にいられると邪魔なんだ」
「ごめんなさい、あのとき私が同情心で拾ってこなければこんなことには……」
そんなこと言わないでくれ、俺が辛くなる。
……そっか、俺はやっぱ駄目なのか。これ以上言ってもこいつらに迷惑がかかるだけかもしれない。それよりも今日まで一緒にいてくれただけありがたいと思わないといけないのだろう。
「わかった。今日限りで俺はパーティーから抜ける」
そう言うと3人の顔から笑顔が。そんなに俺と一緒が嫌だったのかよ。
「悪いな、もう次の仲間を募集していたんだ。違約金払わなくて済む」
4人制限なんて考えた奴を恨みたい。
畜生、俺が子泣き爺だったせいで。
パーティーをクビになったけど…… 狐付き @kitsunetsuki
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