第5話 蝕んでいく体

 彼女を愛する程にこの体はむしばんだ。体だけではない、心もだ。だが彼女には言えない。言えば離れてしまう。


 魔女が掛けた呪いは重く、深く、


 ≪ならば女を忘れ私を愛せばいい。簡単なことだ≫


 魔女の甘言かんげんは日に日に俺を弱らせ、心を締め付けた。

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