第40話 強い女みたいに
外に出ると陽菜と晴が、怖かったようと泣いていた。
「もう大丈夫だから。それと晴、お前な。美咲は冷静だったぞ」
「だって、仕方ないじゃん。男の子でも怖い物は怖いんだよう。みいちゃんに良いとこ見せようと思って、お化け屋敷入りたいって言ったけど、言わなきゃ良かった」
服の袖で涙を拭きながらそう言うと、鼻をすする。そんな晴の姿に美咲は、頼りないわねと言った。
「みいちゃん、僕の事、幻滅した?」
「はあ、してないわよ。ただ、お化け屋敷でそこまで泣かれると、まるで私が何事にも動じない強い女みたいに見えるじゃない。ああ、残念ね。仁が私の相手ならもっとか弱い女を演じて見せたのに」
美咲がまた近寄ってくる。
「来んなよ、変態教師」
「ちょっと、貴女。もう泣くのはおよし。こんな事でそんなに泣いていたら、仁の相手なんて勤まらないわよ。この子、誰とでも喧嘩しちゃうんだから。また刺されて、今度は死んじゃうかもしれないわよ。その時もまた、お兄ちゃんって何も出来ずに泣くつもりなのかしら」
まだ少し泣いている陽菜にそう言うと陽菜は美咲のことを見た。
「大丈夫です。陽菜が、ちゃんと、お兄ちゃんが喧嘩しないように言います。これからもずっと一緒に居たいから。美咲さんには出来ないかもしれないけど、陽菜がお兄ちゃんを止めます」
服の袖で涙を拭う。
「本当にそんな事が出来るのかしら。だって、仁は今までどれだけの人に喧嘩を売ってきたと思ってるの。その度に喧嘩して恨まれてるかもしれないわよ」
「大丈夫だ。それはねえよ。ちゃんと決着付けてきたし。この前のは、ちょっと挑発をやり過ぎてやられただけなんだよ。それに、陽菜が言うなら、もう挑発するのもやめる。俺だって、こいつ置いて先に死にたくねえし。だから離れろ。お前はいちいち近えんだよ」
美咲を晴の元に戻す。晴は泣き止んでいて美咲の腕に抱きついた。
「まあ、せいぜい頑張ると良いわ。仁、もし、私に乗り換えたくなったらいつでも電話して。待ってるわ。晴行くわよ」
美咲が晴を連れて帰っていった。
「帰るか」
「うん」
俺と陽菜もその後すぐに遊園地を出て自宅に帰った。
その日の夜、陽菜が俺の部屋に来て一緒に寝て良いかと聞いてくる。
ー続くー
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