小さなアンラッキーセヴン

男女二人の掛け合い

1

「お題は、小さなアンラッキー！　7個挙げていきましょう」

「電車が一分先に行ってしまった……」

「二行目でさっそく芯喰ってきた！　あるよあるよ〜、いつも通りなら間に合うのに、ちょっと電車が早く行ってしまった日！　乗り過ごしちゃってね、アンラッキー！」

「おかげで運命の人に出会えました」

「そういうやつ？」

2

「好きなひとが、お休みでした」

「あるあるあるー！　毎日楽しみにあの子に会えるのに、今日お休みじゃん！って、あるよ〜。学校かな？　アルバイトかな？」

「病院の待合室……」

「ハピエンの予感！」

3

「面白い小説を書いたのに、誰も読んでくれません……」

「重い、重いよいきなりどうしたんだよ」

「……」

「次、いこっか……」

4

「楽しみにしていたランチなのに、目当てのお店が臨時休業！」

「おっと、OLらしくなってきたよ〜！　あるあるガッカリするよねぇ、ビッグマック食べたかったのにオイッ！　お休みかいッ」

「……」

「何で不思議そうな顔するんだよ女子供でも容赦しねえぞ俺は」

5

「お仕事行くのにエアポッズ忘れた〜」

「あるよね〜、休憩時間暇すぎて仕方がない！　無音で過ごす休憩時間！　聞こえてくるのはおっさんの咀嚼音と軍靴の足音つってね！」

「社会派だね」

「え、あ、はい」

「社会派だね」

「……」

「社会派だね」

「なんだよ！　ぶつぞ！？」

6

「お父さんが死んじゃいました……」

「小さいアンラッキーに含もうとするなよ」

「保険金めちゃ入ってきた」

「試されてるのか？　俺は試されているのか？」

「お母さんがころしました」

「やめてよ、アンラッキーにも程があるじゃん」

「みんなには内緒です」

「黙ってて欲しかったらお金払って？　保険金あるよね？」

「通報しました」

「おまわりさん！」

7

「「アンラッキーセブン！」」

「そして映えある一位はなんでしょうか」

「ランキング形式だったんだね」

「この小説、778文字！」

ぼく「なるほどですね〜」