七月七日生まれの志久ちゃん

単三水

七月七日生まれの志久ちゃん

私は志久。自分で自覚するほどアンラッキーな女の子である。まず、この名前。両親は七月七日に生まれたから七々四十九のノリでこの名前にしたらしいが、死苦と読み方が同じという理由で高校生になるまでいじめられた。次に、起こること。皿は割るし、学校のイベントの時には大体雨が降るし、たまに晴れたと思ったら風邪をひいて行けなくなったこともあった。そして、この局面。

「どうしよう…」

目の前にはゲームコーナーのスロット。スリーセブンが揃っていた。何故これを見てどうしよう、と呟くのか理解出来ていないと思うが、理由があるのだ。私は元からアンラッキーを呼び寄せる体質だが、大きなラッキーが来た時、それはさらに大きなアンラッキーを引き寄せる。つまり、このスリーセブンは何か事件が起こる前触れということだ。とんだアンラッキー7である。


何が起こるのかと恐怖しながら帰路につくと、何か大きいものが裏路地に放置されているのが見えた。こういう時は見てみぬふりをするのが一番だが、ここでアンラッキーをひいておかないと家族にも影響が及ぼされる可能性がある。だが、ここで一人で突っ込んでもし死にでもしたら…。…ええいままよ!!


私は裏路地へと歩きだした。早めに内容を知っておくのが良いだろうと判断したのだ。そして、大きいものの正体が分かった。

「死体…!?」

死臭がする。そして私は所謂、第一発見者というものになってしまった訳だ。事故に遭って半身不随になったり、借金まみれになって貧乏ぐらしになるよりかは遥かにマシな部類だったが、そのまま疑われて犯人に罪を着せられて逮捕などさせられはしないだろうかという恐怖が湧いてきた。かといってこのまま裏路地を出るとそれを他の人に見られて勘違いされ通報なども十分有り得る…ここは素直に通報しておいた方が良いだろう。


その後、事情聴取にとんでもない時間がかかったが無事疑われること無く解放された。こんな軽く済んだことは初めてだ、と晴れ晴れとした気持ちで家に帰ると、


カサ。


という音がしたと同時に、黒い何かが顔に向かって飛んできた。

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