流転する死刑囚 ～早く楽になりたい～

プロローグ

　後悔しないことがないって人、いないよね？

　それが大きいとか小さいとかってのは人それぞれだと思うんだ。

　事の大小ってのは、その人、当事者にとって大きい事か、小さな事という価値観に準ずるんじゃないかって個人的には思うわけ。だってそうじゃない。2選択一、3つでもいいや。なにかの分岐点は突然に、人の都合も関係なくいきなりやってきて、勝手にどれかを選ばさせていく。正解なんて結果的にはどこにもなくて、行った事象でいい思いをするのか、苦い経験となるかしかない。

　後になってあの時こうしておけばよかった。あっちを選べばよかったなんて日常茶飯事。事後感想が出来るのは正直大したことじゃないと思うね。驚くほどの変化があった時はとてもじゃないが、振り返る余裕なんて、とてもじゃないが全くないよ。

　そんなことを物心ついた時から死ぬまで延々と続いていくのかなって最近になって思うようなった。そうなんだよね、人の意見を求めても都合のいい意見なら喜んで受け入れるくせに、なにか気に入らなかったらバリアーを張る。つまり自己都合に迎合出来なかったら、それはどこぞの神様の試練だったんだとか思わないとやっていけれなかった自分がそこにいただけの話。

　でも、きっとそんなことを思うのは俺だけじゃないと思うんだけどどうなんだろうね。この気持ちもどこか、都合のいい意見を俺に投げかけてくれないかって自分の心の一片かもしれない。

　人は孤独になると、自己都合の塊の世界に飛ばされるのか、自ら飛び込んでいくのか。それすら自分で判断できない心境を乗り越えられるほど、俺はやっぱり強くもないな（失笑

　こんな事ばかり考えても終わりが来ない。無事に今回の天啓を熟して、お星さまを頂くことにしよう。でも、今回の天啓って・・・・・・・・・

　うんざりしつつも、がんばれ俺と自分に言い聞かせる。そう、これは崇高なる神々からの試練なのだと。