お守りのお話
密(ひそか)
お守りのお話
私は神社が好きではあるが、かといって、それほど神様にすがる方でもない。
たまに神社へ行き、お賽銭を投げて願いを唱える。あとは、1年ごとにお守りを買い替える習慣があるぐらいである。
私の父親が幼少の頃の話である。終戦前か後かは忘れたが、父親の母親が父親にお守りを買ってあげたことがある。父親は無鉄砲な性格であったから、そのまま渡しても、すぐにお守りをなくしてしまうだろう。そういうわけで、父親の服の胴の辺りに木製のお守りを挟んであげていたという。
あの時代は外で遊ぶのが基本であった。父親の実家の近くに車が多少は通る通りがあった。そこを通って、友だちのところへ行ったり、知り合いの家に行ったりするのである。
ある日、父親がその通りを走っていくと、目の前から車が飛び出してきた。父親はびっくりして、その場にしゃがみ込んだ。車体が父親の体ギリギリをすれ違って去っていったのを本人は覚えているのだという。
その時、物凄い亀裂音がして、慌てて、自分のお腹を見た。着ていた服に挟んであった木製のお守りは紙に包まれていたが、開けてみると、真っ二つに割れていた。
神社には、身代わり守りというお守りが存在する。
お寺には、身代わり地蔵というお地蔵さまが存在する。
お守りは効く、効かないと世間ではさまざまにいわれているが、こんな話もあるという。
お守りのお話 密(ひそか) @hisoka_m
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