ぼくが憧れた、彼女

 美化委員会は通年任期だった。9月以前は、淡々と仕事をこなしていた。


 夏休み明けの体育祭。陸上競技部所属として、トラック競技のゴール脇に控えていた。

 短距離に出場した彼女がゴールした、その瞬間の、物憂げな、やり切ったような表情に、惹きつけられた。


 それからだ、彼女を視線で追うようになったのは。


 今まで視界の隅に開いていただろう笑顔から、目が離せなくなった。



 数々の心理テストもやった。

「相手に本気か?」「どんな感情か?」「相手も意識してくれているか?」

 ・・・本気だ。、やや本気ですね。、まだ憧れです。

 ・・・愛情。、恋情ですね。、憧憬でしょう。

 ・・・No。、これからです。、期待できますね。


 この感情は、慕情、恋情、愛情、どれに当てはまるのだろう。もしくは、他の感情に相当するのだろうか?

 ストーカーじみてないだろうか?  時々、不安になる。

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この感情は takeyagu矢口竹一(やぐちたけかず @takeyagu

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