アンラッキー7

水谷一志

第1話 アンラッキー7

 僕はなんて幸運な人間なんだろう!毎日が楽しいことばかり!嫌なことなんて全くない。なぜなら僕は、「ナナ」に囲まれているから!


 今日、通勤電車に乗る時少し早く駅についた。

 ここは都心ではないのでちょっと待たないといけない。

 普通ならちょっとイライラするシチュエーションだろう。でもここにまた幸運が!


《ただいま、7分待ちです》


 ナナ!なんてラッキーなんだ!


 あと、出社時に僕には密かな楽しみがある。

 それは駐車場に先回りし公用車を見ることだ。

 なんとそのナンバープレートは……、「7-77」!

 最初それを発見した時は興奮した。

 めちゃくちゃラッキーじゃないか!これで今日一日頑張れる!


 出社後いつものようにパソコンを開く。

 さすがに今は使ってないが……、ちょっと前まで使っていたのは「windows7」!

 それを考えるだけでニヤけてしまう。やっぱり僕は幸運の持ち主だ!この幸せをみ んなに分けてあげたい。


 ちなみに……、僕の誕生日は7月7日!「ナナ・ナナ」の日だ!生まれた時から僕は超ラッキー!世間では七夕だなんだと騒がれているが僕は「ナナ」だけで十分幸せ だ!しかもそれが2回も続いている!


 昼休憩、僕は意図的に「12時7分」からご飯を食べ始める。休憩は12時からなのであえて7分待つ。その7分間、お腹はすいているが僕は幸せいっぱいだ。なぜなら、7分間も僕は「ナナ」を感じ続けることができるから!


 今日はちょっと残業してしまった。でも心配ない!「午後7時台」には退勤できた!やっぱり「ナナ」だ!ああ、なんて僕は幸せ者なのだろう!


※ ※ ※ ※


 僕は家に帰り、真っ暗な部屋で電気をつける。

 ……なんで僕は独りぼっちなんだ!?

 なあ、【ナナ】、愛しのナナちゃん、今あなたはどこにいるの???


 あんなに愛してるって言ってたじゃないか!なんで僕を残して、どっかに行っちゃうんだよお!!!!!!!


(終)

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アンラッキー7 水谷一志 @baker_km

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